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» 2020年12月21日 07時00分 公開

第15回 JFMA賞の鵜澤賞は、「聖路加国際大学」と「聖路加国際病院」のFMFM(2/2 ページ)

[遠藤和宏,BUILT]
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教職協働で学生を育てるワークスペース「CROSSLIGHT」

 優秀FM賞の特別賞は、梅光学院が管理する梅光学院大学の事例が受賞した。梅光学院大学は1872年に創立し、2学部2学科で、1332人の学生が在籍し、46人の教員が勤務している。

「CROSSLIGHT」 出典:日本ファシリティマネジメント協会

 梅光学院大学が評価されたのは、FMの核となる施設「CROSSLIGHT」。CROSSLIGHTは、2019年4月に稼働を開始したエリアで、廊下と教室の境が無い講義スペースやフリーアドレスの教職員用オフィス、カフェレストラン、学生がアルバイトとして働くサービスエリア、オープンライブラリーで構成されており、生徒が構内のさまざまな場所で講義を受けられることに加え、教職員も固定席では無く自由なワークスペースで仕事に打ち込める。また、CROSSLIGHTの運営方法と構造は現在も改良を続け、入学志願者と学生の増加に寄与している。

 優秀FM賞には、梓設計や資生堂、NECネッツエスアイが入賞した。梓設計は、2019年8月に、同社の天王洲オフィスを東京都大田区羽田旭町にある羽田オフィスに統合移転した。統合移転の前後で取り組んだFMが評価され、受賞に至った。

 同社は、天王洲オフィスと羽田オフィスの統合完了後に、移転プロジェクトチームをフォローアップ委員会に組織変更し、オフィスを快適に働ける環境へと整備することを目指した。次にフォローアップ委員会もグローアップ委員会に改称し、企業の持続的な成長を後押しするチームと定め、移転チームの主要メンバーが常に羽田オフィスのFMに関われるようにした。

羽田オフィスのワークプレース 出典:日本ファシリティマネジメント協会

 羽田オフィスのワークプレースは、床面積が約5300平方メートルの物流倉庫をリノベーションしたもので、社員1人あたりの面積は天王洲オフィスと比較して1.4倍に増え、同社に所属するスタッフが担うオフィスコンシェルジュやカフェテリアの新設などで機能を拡張している。また、社員にはノートPCとiPadを配布し、社内システムはサテライトオフィスなどでのテレワークにも対応している。

 さらにWELL認証も取得している他、室内に設置したセンサーで執務環境を測定して、効率的に勤務できるワークスペースの構築に役立てている。羽田オフィスの環境を統合的に管理するシステム「BIM-FM」は開発途中だが、2021年中には同システムのバージョン1を稼働させる見込みだ。

 資生堂については、32人の社員が所属するFM部の多面的な業務の展開が評価され、優秀FM賞を受賞した。同社は2017年に管理する各地のオフィスにおけるリノベーションをスタートし、2019年にFM部を発足して、FM事業を本格化した。FM部は2019年に、東京都港区浜松町にある資生堂ジャパン本社オフィスの構築と東京都港区東新橋にある汐留グローバルオフィスのリノベーションに取り組み、両オフィスにはABW(Activity-Based Working)を採用した。

資生堂のFM部が構築リノベーションを手掛けた 出典:日本ファシリティマネジメント

 資生堂のFM部では、レコードマネジメントによる文書の電子化と紙資料収納の削減、オフィスコンシェルジュの導入と運営、社内におけるセキュリティ体制の構築、委託業務の改善を進めている。今後、FM部では、国内施設の戦略的再配置や工場と研究施設の拡充、海外拠点の体制変革を視野に入れた活動を行う見通しだ。

 NECネッツエスアイは2015年にも、第9回 JFMA賞で奨励賞を受賞しており、今回の優秀FM賞受賞では、同社が2019年に開始した分散型の新しいワークスタイル創出で入賞した。同社が推進する分散型の新しいワークスタイルでは、各地に点在するワークプレースや社長室などを常時オンラインで接続して、社員の顔を各拠点のスクリーンやモニターに表示できるようにし、“顔”が見えるコミュニケーションの醸成に努めている。

分散型の新しいワークスタイルを創出するオフィス 出典:日本ファシリティマネジメント

 技術賞に関しては今回、該当社無しで、功績賞は三重大学大学院 工学研究科建築学専攻 教授 加藤彰一氏が受賞し、奨励賞は秋田県藤里町が入賞した。

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