2025年に閉幕し、多くの人々に感動を与えた「大阪・関西万博」の記憶がデジタル空間上で蘇る。国土交通省は、万博会場を3D都市モデルとして整備し、「Project PLATEAU」上で無償公開した。大屋根リングのBIMや高精度な点群データを活用し、建築や街づくり、教育分野での活用を後押しする。
国土交通省は2026年3月6日、大阪・関西万博の大屋根リングや各国のパビリオンといった建築物を3D都市モデルとして整備し、デジタルアーカイブとして提供を開始したと発表した。
万博のデジタルアーカイブ化は、国交省が主導する3D都市モデルのオープンデータ化プロジェクト「Project PLATEAU(プラトー)」の一環として無償公開する。PLATEAUはこれまで国内約250都市の3Dモデルを公開し、街づくりや防災、環境シミュレーション、観光、モビリティーなど幅広い分野で活用されてきた。
近年、歴史的建造物や文化財をデジタル保存するデジタルアーカイブの重要性が高まっている。今回の発表は、万博という国家プロジェクトの巨大な建築レガシーを後世に残すため、貴重な空間ビッグデータを解放した形だ。
今回の3D都市モデルは、単なる外観の簡易的な再現にとどまらない。世界最大級の木造建築として話題を集めた大屋根リングのBIMデータに加え、多方向カメラで撮影した空中写真、レーザースキャナーで計測した高精度な点群データを組み合わせて作成した。
地形や地物の形状を3次元の点の集合体としてデジタル空間に再現する点群データも、3D都市モデルと共にオープンデータとして公開する。BIMと点群データの掛け合わせは、建設業界のデジタルツイン構築の最前線とも言える技術だ。こうしたデータにアクセスすることで、設計者やエンジニアは万博会場の圧倒的なスケール感や複雑な納まりをPCの画面上でリアルに追体験できる。
3Dデータは、地理空間情報のプラットフォーム「G空間情報センター」の特設ページから、専用ビュワー「PLATEAU VIEW」でLOD(詳細度)を変えて閲覧可能な他、CityGML形式のファイルもダウンロードできる。3D都市モデル作成に当たって取得した3D点群データは別ページで、メッシュごとに公開している(両データとも商用利用は禁止)。
国交省は、デジタルアーカイブの用途として、バーチャル空間で万博会場を再訪できるコンテンツ開発、次世代の建築・土木を担う学生向けの教育教材としての活用に期待を寄せる。
デジタルアーカイブ化の動きは万博だけにとどまらない。国交省は、2027年に開催予定の国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)でも、同様にデジタルデータ化の整備に取り組む予定だ。
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