清水建設は、既存超高層ビルの地下構造体を再設計士、新築工事の仮設として活用する新地下工法「Re-GENUS BASE」を実用化し、都内の超高層建て替え工事で13カ月の工期短縮を実現した。
清水建設は2026年2月10日、首都圏で進む超高層ビルの建て替え工事需要を見据え、新地下工法「Re-GENUS BASE(リジェナス・ベース)」を開発/実用化したと発表した。
新工法の特徴は、既存超高層の地下構造体を再設計し、新築工事の仮設として活用する点にある。東京都千代田区で施工中の「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業」のサウスタワーに初適用し、13カ月の工期短縮を実現した。
超高層の建て替え工事では、工期短縮のため、既存建物の地上階解体後に新築1階の床を先行して構築し、その床を境に地上階と地下階の躯体を同時施工する「逆打工法」が多く採用される。ただし新築柱を支持する仮設の杭基礎を前提とする計画が一般的で、杭打機や生コンクリート車が走行する作業床が必要となり、大規模な仮設工事を伴うことが課題となっていた。
Re-GENUS BASEは、既存の地下構造体を再設計し、外壁/床/梁(はり)を山留めとして活用するだけでなく、既存底盤(ピット部)までフル活用することで杭基礎を不要とした。既存底盤の上部に構築する築くコンクリート層の上にスポット的な基礎を設け、新築柱を支える。
この結果、底盤への杭施工用の開口を設けるための解体工事や杭打機が走行する作業床の構築、地下水流入を防止のための既存地下階の埋め戻しや土の撤去といった大規模な仮設工事が不要となる。
新工法が適用されたサウスタワーは、事務所、商業、ホテル、ウェルネス促進施設などから成る地上46階、高さ約230メートル、延べ床面積約29万平方メートルの大規模複合ビル。事業代表施行者は中央日本土地建物で、清水建設が実施設計、監理、施工を担う。工期は2025年4月から2029年3月までで、現在の工事進捗率は約20%。
サウスタワーには鉄骨柱が144本ある。従来の逆打工法を採用した場合、直径2.0〜2.7メートル、長さ20〜25メートルの杭基礎を同数設置する必要があり、杭コンクリートは1万7000立方メートル、既存地下階への土砂などの埋戻し充填量は約14万6000立方メートルに達する。
新工法の採用により、地下工事だけで13カ月の工期短縮を実現。資材数量や作業量の削減により、CO2排出量を9000トン削減する。既存建物の外壁や底盤を残したまま施工が進むため、周辺地盤に埋設された重要インフラ施設への影響も低減できる。清水建設は今後、新工法を超高層ビルの建て替え計画に積極的に提案し、受注競争力の強化を図る。
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