2.BIM連携機能
BIMモデルには、設計・施工フェーズで蓄積された膨大な情報が含まれています。この情報を維持保全フェーズで有効活用するのが統合FMプラットフォームのBIM連携機能です。
BIMモデル内のオブジェクトに含まれる設備機器や仕上材の仕様、製品番号、サイズなどのプロパティー情報を活用し、施設管理業務を効率化します。
具体的には、下記のような管理が可能になります。
3.長期修繕計画機能
BIMデータを活用し、長期修繕計画をシミュレーションする機能も重要です。例えば、設備機器の交換や仕上材の補修/更新にかかるコストを予測し、将来的な修繕計画を立案することが可能です。
シミュレーションには、公益社団法人の「ロングライフビル推進協会(BELCA)」が発刊する『建築物のライフサイクルマネジメント用データ集 改訂版』を活用することができます。データ集を用いることで、国内建設事情に即した長期修繕計画を立案できます。
■建設系(施設オーナー、設計事務所、建設会社)
建設業界では、BIM×FMを活用した施設管理の成功事例が増えています。本連載の「BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(3)」で、日建設計の光田氏が紹介した「ミュージアムタワー京橋」のプロジェクトでは、BIMモデルの属性情報を統合FMプラットフォームに登録し、WebブラウザでBIM×FMソリューションを実現しました。日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)が主催する「日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)」の第19回技術賞を受賞しています。
■インフラ系(多階層管理・多拠点管理)
インフラ業界では、全国に点在する施設の維持管理が課題となっています。統合FMプラットフォームを導入することで、地域>部門>建物>階>部屋という階層構造で情報を一元管理できるようになり、設備のリコール時のスピーディーな対応や拠点間の管理が容易になります。
また、重要施設にはBIMモデルを導入し、維持管理の効率化を図るケースも増えています。
■総務系(機器/契約管理)
企業の総務部門でも、統合FMプラットフォームが活用されています。例えば、OA機器や車両、自動販売機などの管理対象と、それに付随する契約情報を一元管理することで、業務の効率化が可能になります。さらに、BIMモデルと連携することで、設置場所の可視化や契約更新の管理もスムーズに行えます。
統合FMプラットフォームのFM-Integrationは、BIM×FMを活用し、施設管理業務のDXを支援します。多くの業界で導入され、業務効率化やコスト削減に貢献しています。今後も、さらなる活用が期待されるソリューションといえるでしょう。
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