パナソニックとトヨタが設立したPLT 着工から竣工までの記録を一元化する「CONSAIT」の可能性第10回 JAPAN BUILD OSAKA(1/3 ページ)

パナソニック ホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニック建設エンジニアリング、松村組のホールディングス会社「プライム ライフ テクノロジーズ」は、着工から竣工までの記録業務を効率化する複数のアプリから成るクラウドプラットフォーム「CONSAIT」を提供している。最新のアップデートでは、仕上検査時に指摘事項を発話するだけで自動入力する「CONSAIT Pro仕上検査」をリリースした、

» 2025年11月10日 12時55分 公開
[松永弥生BUILT]

 パナソニックとトヨタ自動車が2020年に設立したプライム ライフ テクノロジーズは、「第9回 JAPAN BUILD OSAKA−建築・土木・不動産の先端技術展−」(会期:2025年8月27〜29日、インテックス大阪)に出展した。本稿では、ブースでPRした建設現場のDXを支援するサービス「CONSAIT(コンサイト)」について紹介する。

「第9回 JAPAN BUILD OSAKA−建築・土木・不動産の先端技術展−」のプライム ライフ テクノロジーズブース 「第9回 JAPAN BUILD OSAKA−建築・土木・不動産の先端技術展−」のプライム ライフ テクノロジーズブース 提供:プライム ライフ テクノロジーズ

 建設業界は慢性的な人手不足と高齢化の波に直面している。若手人材の流入が限られる一方で、熟練技術者は定年や体力的な理由から現場を去りつつある。その中でも特に問題となっているのが、記録業務と検査業務の負荷だ。

 日々の施工記録は依然としてホワイトボードや紙が中心で、写真や図面を現場ごとにバラバラに保管している。そのため、調書の作成に膨大な時間を要し、過去のデータを探し出すだけでも多大な労力を要している。さらに、配筋検査のように高度な知識と経験を要する工程では、若手が即戦力として対応するのは困難だ。

 単なる効率化だけではなく、品質担保の観点からも検査品質を確実に向上させなければ、安全性も揺らいでしまう。

CONSAITが提示する解決策

 プライム ライフ テクノロジーズ(以下、PLT)は、こうした現場の課題を解決するためのプラットフォーム「CONSAIT(コンサイト)」を展開している。CONSAITは着工から竣工までの現場の記録業務を一気通貫で支える複数のアプリ群で構成しており、現場の記録から検査、最終的な品質確認までをクラウド上で統合管理できる。

クラウド型建設DXサービス「CONSAIT」 クラウド型建設DXサービス「CONSAIT」 提供:プライム ライフ テクノロジーズ
複数アプリで、着工から竣工までの記録業務を一気通貫で支えるプラットフォーム「CONSAIT」 複数アプリで、着工から竣工までの記録業務を一気通貫で支えるプラットフォーム「CONSAIT」 提供:プライム ライフ テクノロジーズ

 基本となるiPhone用の記録アプリ「CONSAIT Basic」は、日々の記録業務を効率化する。電子小黒板の作成や進捗状況の確認が可能で、図面や現場で撮影した写真を自動で紐づけて整理できる。タグ検索を使えば、必要なデータを即座に取り出せるため、写真や図面管理の煩雑さを解消し、調書作成を短時間で終えられる。

記録アプリ「CONSAIT Basic」 記録アプリ「CONSAIT Basic」 提供:プライム ライフ テクノロジーズ

 担当者は「1枚の写真を探すだけで何分もかかっていた従来の現場が、CONSAITを導入すると一瞬で探し出せる。そのため、現場監督の心理的負担が大幅に軽減される」と強調する。

タグ検索で写真や図面の検索や絞り込みが可能 タグ検索で写真や図面の検索や絞り込みが可能 提供:プライム ライフ テクノロジーズ
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