木杭による環境配慮型地盤補強の新工法開発、積水ハウス施工

積水ハウスと兼松サステックは、環境配慮型地盤補強工法「SH−KPパイル工法」の販売を開始する。

» 2025年11月14日 18時00分 公開
[BUILT]

 積水ハウスは2025年12月1日から、兼松サステックと共同開発した環境配慮型地盤補強工法「SH−KPパイル工法」の販売を開始する。

 SH−KPパイル工法は、間伐材を含む国産木材を使用する地盤補強工法「環境パイル工法」の適用範囲拡大を目的に開発した。2025年7月24日には、一般財団法人日本建築総合試験所から性能証明を取得している。

「SH−KPパイル工法」の施工状況(左)とイメージ図(右) 「SH−KPパイル工法」の施工状況(左)とイメージ図(右)出典:積水ハウスプレスリリース

 環境パイル工法は、木製の杭状の補強材を打ち込み、杭周囲の土の摩擦で生じる周面摩擦力と、安定した地盤まで先端を到達して支持する先端支持力によって建物を支持する。国産材利用拡大による林業活性化やCO2削減による環境負荷低減に加え、品質の高い防腐/防蟻処理により高耐久性を確保する。一方で、先端支持力の確保が難しく、杭長が短くなる地盤条件下では採用が難しいといった制約があった。

 新工法では地盤調査手法や杭先端形状の改良により、適用範囲を拡大。環境パイル工法では簡易的な手法で地盤調査を行うため、支持層の地盤がどれだけ硬くても、先端支持力計算に使用する地盤の硬さを表すN値の上限値が10までの評価となっていた。SH−KPパイル工法はより精密な地盤調査を行うことで、N値50まで採用可能になり、高い先端支持力の確保を実現した。

 加えて、従来の杭の先端では強度上難しかったN値50レベルの支持層への到達を可能にするため、杭の先端に鋼製の部材を装着。木材の品質を損なうことなく、より硬い地盤である支持層に到達させられるようにした。

 SH-KPパイル工法は、鋼管杭やコンクリート杭に比べ、戸建住宅1棟あたり約10トンのCO2排出削減効果が見込まれる。積水ハウスと兼松サステックは、新工法の積極的な活用を推進する。

「SH−KPパイル工法」の概要 「SH−KPパイル工法」の概要出典:積水ハウスプレスリリース

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