西松建設は、場所打ちコンクリート杭工事の支持層への到達確認を高精度かつリアルタイムに行う「支持層到達管理システム」を開発した。到達確認の判断材料に、地盤の硬さによって変化する掘削機の振動データを加えることで、より高精度な判断を行う。
西松建設は2024年4月9日、場所打ちコンクリート杭工事の支持層への到達確認を高精度かつリアルタイムに行うため、アースドリル工法向けの「支持層到達管理システム」を開発したと発表した。掘削土と地盤調査時のサンプル試料を目視で比較する従来の確認方法に加え、新たに掘削機の振動データなどと組み合わせて、支持層への到達確認をより高精度に判断する。
新システムでは、地盤の硬さによって変化する掘削機の振動を可視化したデータを、支持層への到達確認の判断材料に加える。まず、掘削機に無線式の加速度センサーを取り付け、センサーで測定した振動データをもとに、新たな加速度指標を定義する。定義した指標を、深度計の表示から画像処理(OCR)で取得した深度情報と組み合わせ、深度分布をリアルタイムに作成して、表示する。
1本目に施工する杭で、加速度指標の深度分布と、標準貫入試験で得られるN値の深度分布の関係を把握し、この情報をもとに、その後に施工する杭では、加速度指標の深度分布の変化により、支持層到達を判断する。
測定結果は、現場技術者が各自のモバイル端末からリアルタイムにモニタリングできる。複数の機種の掘削機に対応する汎用型で、また、測定作業が掘削を妨げることはないため、従来通りの工程で施工が可能だ。新システムは、場所打ちコンクリート杭工事に適用し、支持層到達管理システムの信頼性の向上図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.