前田建設工業は、ダム工事におけるグリーンカット作業の仕上がりをAIと撮影用ロボットで判定する「グリーンカットAI判定システム」を開発した。
前田建設工業は2026年5月22日、ダム工事におけるグリーンカット作業の仕上がりをAIで判定する「グリーンカットAI判定システム」を開発したと発表した。撮影用ロボットと連携し、従来は熟練技術者の感覚に頼っていた品質判定の均質化と高度化を図る。
グリーンカット作業は、コンクリート打設後に次の打設に備えて表面の脆弱な薄膜(レイタンス)を除去する工程で、打継部の一体性や耐久性に影響する重要な作業だ。従来は技術者による目視で良否判定が行われ、経験の浅い技術者では適切な評価が難しかった。また長期にわたるダム工事では担当者の交代も多く、品質判断に個人差が生じる課題があった。
グリーンカットAI判定システムは、技術者の経験に頼っていた作業の仕上がりの判定を、AIと撮影用ロボットが代行する。人が撮影した場合の高さなどのばらつきを抑えるため、専用の撮影ロボットを開発。ロボットはアルミフレームで、GNSS、Webカメラ、遮光シート、通信機器、制御PCから成る。
ダム施工エリアは基本的に湿潤状態のため、遮光シートを使用して水面からの太陽光の反射やロボットの影の映り込みを抑制する。撮影方法は事前に設定したルートに沿って撮影する「自動撮影モード」と「遠隔撮影モード」の2種類を備える。
撮影後は、ロボットが取得した画像をAIで解析し、グリーンカットの良否を自動判定して結果を出力する。湿潤状態で画像によっては判定が難しい場合があるため、水たまりの判定に重み付けを行い、周辺の判定結果を踏まえて最終判定を行う仕組みとした。
前田建設工業では、グリーンカットAI判定システムについて、安定した条件での撮影方法の確立、AIによる打継面品質の面的管理の実現に加え、グリーンカット作業の良否判定を客観的に可視化できたとしている。
前田建設工業は、グリーンカット作業の自動施工が可能で、年間施工可能日数を1.3倍程度に増やせる「自動グリーンカットマシン」を開発済みだ。今後は自動グリーンカットマシンと組み合わせ、実作業から品質判定までの一連の作業を自動化するシステムの構築を目指す。
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