日建設計、日本設計、三菱地所設計、ArchiTechが共同で推進する中大規模木造建築に特化したチャット形式の設計支援AIツール開発が、林野庁の補助事業に継続採択された。
日建設計は2026年7月6日、日本設計、三菱地所設計、ArchiTechと4社共同で推進する、中大規模木造建築に特化したチャット形式の設計支援AIツール開発が、林野庁の補助事業「CLT等木質建築部材技術開発・普及事業(令和7年度)」に継続採択されたと発表した。前年度に構築した試作システムと試験運用の成果を踏まえ、実用化に向けた回答精度の向上、プレ公開を進める。
脱炭素化の推進や木材利用促進法の改正などを背景に木材利用が加速している。オフィスや商業施設、ホテルなど事業用の中大規模木造建築市場の拡大が期待される一方で、設計には構造や防耐火、木材調達など多領域の高度な専門知識と経験が必要となる。法改正や規制緩和などの変化も多いため、実務に直結するノウハウや公的ガイドラインが関係省庁や業界団体などに分散/埋没し、必要な知見へたどり着きにくいことが担い手拡大に向けた課題となっている。
4社は各所に分散する設計知見を集約/構造化し、継続的に活用できる基盤の構築を目的に設計支援AIチャットbotの共同開発に取り組んでいる。日建設計、日本設計、三菱地所設計が参照データの収集と試験運用を担い、ArchiTechがシステム開発とデータ処理を担当。また、回答生成の根拠となる法規制や設計事例、技術資料、木材調達情報などのデータ収集と整備、持続的な運営体制の検討を一体的に推進している。
回答は国や行政機関、研究機関、業界団体などが公開する信頼性の高い資料を参照し、出典を提示するシステムを採用した。前年度はチャットbotの基盤構築や参照データ整備、設計関係者向けアンケート調査に加え、設計者による試験運用とフィードバック収集を通じてツールの改善を進めた。
2026年度は実用化に向けて、回答の精度を向上するフェーズに移行。設計実務での利用を想定した評価指標を整備し、回答精度を評価/改善する。また、参照データに法改正や新基準、最新の設計事例を反映するために、収集対象/体制/更新フローを再整備し、継続的に整理/更新する。データ連携パートナーの拡充を図り、業界団体や自治体、研究機関などと連携することで、実務に直結する情報源を拡充する。回答の正確性と信頼性を向上することで、設計者が安心して業務で活用できる品質基盤を確立する。
今後は設計支援ツールの精度向上や情報基盤の継続的な拡充を推進し、中長期的に、設計実務での本格活用と持続可能な運営体制の構築を目指す。利用データを踏まえた継続的な機能改善、対応領域の段階的な拡張、業界横断での活用推進などを想定し、中大規模木造建築の設計を支える社会インフラとしての定着を見据える。
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