第9回インフラメンテナンス大賞の内閣総理大臣賞に、北海道留萌市の土木建設業 堀口組による「豪雪地の交通インフラ維持を図る除雪支援の取り組み」が選定された。
国土交通省など8省は2026年1月20日、第9回インフラメンテナンス大賞の表彰式を開催した。内閣総理大臣賞は、北海道留萌市の土木建設業、堀口組による「豪雪地の交通インフラ維持を図る除雪支援の取り組み」が受賞。表彰式で内閣官房長官 木原稔氏は「AIや生体センサーなどの最新デジタル技術の活用により、高齢化が進む建設技能者の負担を軽減する先駆的な取り組み。建設業の過酷な労働環境改善と建設技能者の不足の解消に対応する顕著な功績だ」と評価した。
インフラメンテナンス大賞は、日本国内のインフラメンテナンスに関する優れた取り組みや技術開発を表彰するもの。計44件(内閣総理大臣賞1件、各省大臣賞11件、特別賞7件、優秀賞25件)が受賞した。
木原氏は「国内では高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が加速度的に進行し、建設技能者の人材確保も課題となっている。老朽化に起因する重大事故を防ぎ、ライフサイクルコストの低減による持続可能な維持管理を行うには、官民が協力し、先手を打って対策を講じていく必要がある。インフラメンテナンスの中核を担う皆さんにはAIやドローンなどのデジタル技術の活用を含め、さらに切磋琢磨いただきたい」と呼びかけた。
堀口組が拠点を置く北海道留萌地区では、高齢化と人口減少が進む中、冬季の除雪作業体制の確保が地域インフラ維持の課題となっている。除雪業務は高い専門性を要し、深夜出動などの過酷な職場環境、出動の有無に関わらず発生する待機時間など、作業者の心理的負担も大きかった。
堀口組は、生産性向上と安全/安心の両面から、持続可能な働き方とインフラ維持体制の構築に向けた取り組みを推進。除雪作業を担う企業の他、情報科学専門の研究者や中小企業のICT技術者によるコンソーシアムを組織し、技術開発と実証実験を展開してきた。AI技術と映像解析、3D点群処理技術を活用することで作業の効率化/省人化を推進した他、生体/感性センサーなどを適用し、安全で安心な職場環境の整備を目指した。
生産性向上を目的とした技術では、留萌各地の過去と現在の映像/気象情報などからAIが翌日の除雪出動確率を算出する「除雪出動判断システム」の他、凍結防止剤の効率散布や排雪量の算定/過積載判定の自動化技術などを導入。安全性/安心感の確保のために、デジタルツインを活用した技術継承支援、高齢者支援に向けたアシストスーツの活用、生体情報による疲労度判定などに取り組んだ。
AIやICTといったデジタル技術の活用に加え、「人間中心のDX」の視点から現場課題にアプローチした点が評価され、地方中小建設業のDX推進や社会資本の持続管理に寄与する先進事例として認められた。
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