前田建設工業は、レイタンス除去作業の自動施工が可能な「自動グリーンカットマシン」を開発し、岐阜県のダム本体工事で現場実証を行った。
前田建設工業は2026年1月19日、コンクリート打設面の脆弱な薄膜(レイタンス)を除去する「グリーンカット作業」の自動施工が可能な「自動グリーンカットマシン」を開発したと発表した。自動化技術と化学的処理(遅延剤)を組み合わせることで現場休工日前日の生コンクリート打設が可能になり、年間施工可能日数を約1.3倍に拡大。工期短縮、省人化、施工費の削減などにつながる。
グリーンカット作業は、コンクリート打設の翌日に広範囲にわたって表面処理を行う必要がある。過酷な手作業であると同時に、現場休工日の前日にはコンクリート打設ができないため、近年は週休2日制の定着が進む中で作業調整も課題だった。
自動グリーンカットマシンは、英McConnel製「ROBOCUT」をベースに、前田製作所製の専用アタッチメント、GNSS、Webカメラ、通信機器、制御PCなどを組み合わせて開発した。「自動施工モード」と「遠隔施工モード」を切り替え可能で、自動施工モードでは、事前に設定したルートをタブレットから制御PCに送信し、開始ボタンを押すだけで施工が行える。
2025年8月には、岐阜県発注の内ケ谷ダム本体工事の堤体工で施工方法の試行を実施した。一般的に自動施工を行う場合、大型機械では型枠近傍の施工が難しい。また、「無人化施工の安全ルール」により有人作業エリアと無人作業エリアを分ける必要がある。
今回の試行では広域的なエリアにはマシンを使用した。機械での施工が難しい型枠付近には、コンクリート打設直後、型枠から30センチ程度の範囲に96時間以内の処理可能な遅延剤を散布。後日、水洗いした後にハンドポリッシャーで施工する方法を採用した。
今回の試行により、無線LANのみの環境下で自動施工が可能であること、自動施工部/遅延剤散布部ともい良好な打ち継ぎ面の品質を担保できること、遅延剤の散布により休日前のコンクリート打設でも品質が確保できることを確認した。
前田建設工業は今後、グリーンカット工程において、グリーンカットとレイタンス清掃などの実作業からAIによる品質判定までを自動化するシステムの開発を目指す。
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