日建設計が語る「グラングリーン大阪」に息づく、大阪らしい街づくりと名建築の系譜プロジェクト(1/2 ページ)

2024年に一部がオープンした大阪府大阪市北区の「グラングリーン大阪」は、大阪駅近くの市街地に広大な公園空間を設けた先進的な街づくりとして注目を集めている。事業を先導した日建設計は、グラングリーン大阪の事業と御堂筋の歴史をひも解くトークセッションを開催し、プロジェクトの裏話や歴代の名建築から受け継がれる「大阪らしさ」について議論を交わした。

» 2026年07月14日 14時52分 公開
[宮裡將揮BUILT]

先進的なまちづくり事例として注目されるグラングリーン大阪

 2024年9月に一部施設が先行オープンした大阪府大阪市北区の「グラングリーン大阪」は、新たなランドマークとして全国的な注目を集めている。約4.5ヘクタールの都市公園「うめきた公園」を核に、商業施設やオフィス、ホテルなどを一体的に整備するプロジェクトだ。都心の中心地に緑が広がる先進的な空間設計は、従来の都市開発にはない先進的な街づくりの成功例として認知が広がっている。

 2026年6月3日には事業に携わる日建設計がグラングリーン大阪の事業と、そこへつながるメインストリートの御堂筋の歴史をひも解くトークセッション「大阪建築の舞台裏――グラングリーン大阪と御堂筋」を開催した。会場には多数の市民が訪れ、開発が続く大阪都心部の街づくりに込めた関係者の思いに耳を傾けた。

 日建設計からは、取締役常務執行役員 兼 大阪オフィス代表の勝山太郎氏とチーフデザインオフィサーの大谷弘明氏が登壇。ファシリテーターとして建築史家で、大阪公立大学大学院 工学研究科 教授の倉方俊輔氏も参加した。

左から順に大阪公立大学大学院 工学研究科 教授 倉方俊輔氏、日建設計 取締役常務執行役員 兼 大阪オフィス代表の勝山太郎氏、日建設計 チーフデザインオフィサー 大谷弘明氏 左から順に大阪公立大学大学院 工学研究科 教授 倉方俊輔氏、日建設計 取締役常務執行役員 兼 大阪オフィス代表の勝山太郎氏、日建設計 チーフデザインオフィサー 大谷弘明氏 筆者撮影

都市に残された希少なフロンティアを、あらゆる人々に開かれた空間に

 イベントでは勝山氏がグラングリーン大阪の事業の成り立ちやプロジェクトでのさまざまな工夫について説明した。

 グラングリーン大阪は、JR「大阪」駅北側に位置する。元は梅田貨物駅の跡地であり、中心市街地に残る“関西最後の一等地”として知られてきた。

グラングリーン大阪は中心市街地の真ん中にできた公園空間として注目が集まっている グラングリーン大阪は中心市街地の真ん中にできた公園空間として注目が集まっている 提供:日建設計、撮影:伊藤彰(アイフォト)

 事業に長年携わってきた勝山氏は、「グラングリーン大阪の敷地は、都市の希少なフロンティアだった。都心部の大きな余白を生かして公園を整備し、プロジェクト全体の価値を底上げすることを目指した」と振り返った。

 新たな都市のランドマークにふさわしい公園となるように、計画段階から事業者や設計チームと議論を交わし、ランドスケープのコンセプトを固めることに注力してきたという。

 関係者らとの協議の末、アメリカのランドスケープデザイン事務所のGGNが、「大阪本来の豊かに潤った大地」とするテーマをまとめた。梅田の北側はかつて多様な生き物であふれ、河川が行き交う潤った大地が広がっていた。コンセプトには、そうした土地の特性を生かし、多様な人々が集う空間づくりの思いが込められている。

 そのため、公園内は境界を感じさせないように設計した。道路と公園の境界線を植栽の中に設けてシームレスにつなげるように工夫したり、公園の象徴ともなっている階段状の芝生「アンフィローン」は人が座りたくなる角度に設計したりと、誰も拒まず、過ごしやすい環境を整えた。

グラングリーン大阪は中心市街地とシームレスにつながり、人が行き交いやすいように周到な設計がほどこされている グラングリーン大阪は中心市街地とシームレスにつながり、人が行き交いやすいように周到な設計がほどこされている 提供:日建設計

 勝山氏は「エリアへの愛着を持って、官民の垣根を超えたさまざまな関係者が一丸となって取り組んだ。非常に大阪らしいプロジェクトといえる」と、その裏側にある関係者たちの想いに触れた。

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