画像情報の利用も進んでいます。文献8では、オープンデータとして公開されている情動画像のデータセットにして学習した深層学習モデルを用い、快/不快の感情価を評価し、下のように景観の良否の推論に応用しています※6。
※8 「情動画像で学習した深層学習モデルの景観画像評価への適用性の検討」山本義幸/AI・データサイエンス論文集4巻3号p757-765/「科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)」/2023年
文献9では、公共空間の居心地の良さに関する調査に対して、AIで自動化する手法を提案しています。通常は人手で分類している人の行動について、画像を言語化する“マルチモーダルAI”で判定を試みています。
画像以外にも、IoTデバイスを用いた観光流動調査から出身国や交通手段別の訪問率、滞在時間などの行動特性を分析し、Web情報のテキスト分析と組み合わせ、観光地の魅力向上につながる知見を得る実験も行われています※10。
社会調査は、よりよいインフラ整備に欠かせないものですが、そのデータの整理や集計、分析に人手を要することが多く、多大な労力がかかる場合が少なくありません。AI、とりわけLLMによって、効率的な調査が可能となり、質の高い調査が実現されることが期待されます。特に最近提案された「MCP(Model Context Protocol)」を利用することで、より効率的に多様な調査への適用が可能となると思われます※11。
※11 “AI界隈”が注目「MCP」って何?──KDDI子会社の解説資料が「分かりやすい」と話題/ITmedia AI+
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