連載第33回は、道路の交通量調査など、インフラ整備前によく実施されている社会調査に、LLMや深層学習などを活用した土木学会の論文を解説します。
インフラ整備の際は、事前に利用状況や利用者の意向を調べることがあり、アンケートやWeb情報の抽出などをはじめとしたさまざまな社会調査が行われています。そのような社会調査にもAI活用が広がっています。
観光産業は、地域活性化に重要な役割が期待されています。その発展には観光客が感じた観光地の改善点を把握し、それに即した企画立案や施策実行が望まれます。文献1では、旅行情報サイトの観光地に関する口コミデータを収集し、AIを用いた感情(センチメント)分析を行うことで、口コミから観光客のネガティブな感情がうかがえる文を抽出し、テキストマイニングで改善点を見い出すシステムを提案しています※1。
★連載バックナンバー:
本連載では、土木学会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会で副委員長を務める阿部雅人氏が、AIと土木の最新研究をもとに、今後の課題や将来像について考えていきます。
文献2は、LLM(大規模言語モデル:Large Language Model)を活用することで、アンケート回答者の性格特性の推定を試みています。LLMを用い、直接的な分析が難しい自由書式の文章データを分析可能な形に変換しています。
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