TOPPANホールディングスと高精度AI測量アプリ「Scanat」を展開するnatは、資本業務提携を締結し、建設業界向けの空間シミュレーションサービスの共同開発に乗り出す。
TOPPANホールディングスは2024年12月3日、高精度AI測量アプリ「Scanat」を展開するnatと資本業務提携を締結し、建設業界向けの空間シミュレーションサービスの共同開発に乗り出すと発表した。
今回の提携により、TOPPANグループの建材/設備メーカー向けBIMデータ管理サービス「GAMEDIOS BIMオプション」と、natのScanatの技術や知見を融合させる。
GAMEDIOS BIMオプションは、TOPPANグループが2022年9月から提供を開始。専門的な知識がなくても容易にBIMデータを取り扱えるようになり、単なる図面活用だけでなく、3DシミュレーターやAR、メタバースなど販促への活用や、2D/3D図面出力などの業務効率化ツールへの活用も提案してきた。
一方、natのScanatは、動画撮影のように対象をスキャンするだけで現実空間を記録、計測できるiOSアプリだ。建設、不動産、製造業、自治体など、さまざまな業界で空間の確認、記録作業の業務効率化を支援している。
今回の協業では、現実空間をミリ単位の精度で測量した3D空間データと、建材/設備のBIMデータを融合することで、デジタルツイン空間で建材/設備のシミュレーションができる「空間シミュレーションサービス」の開発を目指す。従来は写真データやバーチャルデータを使用して行っていた建材/設備の提案を、測量データを基にした高精度3D空間データ上で行うことにで、リアリティーのある設計と提案を実現する。また、BIMデータの活用により、色やサイズ、価格などの情報を踏まえたシミュレーションが可能となる。
この他、両社のサービスを顧客へ向けて相互に提案する。Scanatの幅広い業界展開と、GAMEDIOSの建材/設備業界でのノウハウを組み合わせることで、測量から面積算出、BIMデータの管理/活用まで、建設業界全体におけるBIMデータやICT活用の拡大を支援する。
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