東急建設、北野建設、佐藤工業、ピーエス三菱は共同で、スマートフォンなどの汎用機で撮影ができる土木現場用の配筋自動検査システムを開発し、2024年度から現場での試行導入を開始する。撮影した写真は公衆回線を使用してサーバに送信し、遠隔での立会時には、配筋の自動検査と同時に計測結果帳票の共有も可能になる。
東急建設は2024年3月28日、北野建設、佐藤工業、ピーエス三菱と共同で、土木現場用の配筋自動検査システムを開発したと発表した。スマートフォンまたはタブレット端末などの汎用品を使用し、十字マーカーと組み合わせて撮影する。撮影した写真は公衆回線を使用してクラウドサーバに送信し、処理するため、遠隔臨場時には、AIによる配筋の自動検査と同時に計測結果の帳票共有も可能だ。2024年度から順次、現場での試行導入を開始する。
新システムは、撮影から結果帳票の出力まで事前準備の必要なく一連で処理を行い、業務効率を改善する。また、単眼カメラの弱点とされていた土木現場の過密配筋への対応として、画像解析技術を追加した。検査の対象である配筋と、その他の配筋の識別機能を強化し、検査時の確認修正作業を軽減する。
新システムの実証を4社の6現場で行った結果、配筋間隔の精度は、全ての検証範囲で配筋径の30%の誤差範囲に収まっていることを確認した。1ランクずれを含むデータでは平均90%の正解率だったという。天候や射光により撮影環境に違いがあっても、配筋間隔や鉄筋径正答率に相違は見られなかった。なお、鉄筋径正答率は、撮影者により変動することが分かったため「計測ガイド機能」を実装して、計測者による計測精度のばらつきを抑制する。
今後の現場試行導入を通して、撮影ガイド機能による計測精度のばらつきの抑制効果や、業務効率の改善効果を確認する。
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