鹿島建設はCFT柱の施工作業を遠隔管理する工事映像配信システム「moni-as」を開発し、複数の現場に導入した。技術者や施工担当者の業務負担を軽減できることを確認した。
鹿島建設は2024年3月14日、CFT(コンクリート充填鋼管構造)柱の施工作業を遠隔管理する工事映像配信システム「moni-as(モニアス)」を開発し、複数の現場に導入したと発表した。
moni-asは、鋼管柱内に吊(つ)り降ろした有線カメラを通じて、現場事務所や本社などの遠隔地からでも、コンクリートの充填状況をリアルタイムに遅延なく確認できるシステムだ。専用のアプリは不要で、PCやタブレット、スマートフォンなどの端末から閲覧する。品質管理をタイムラグなく行うため、さくらインターネットが開発基盤として提供する「ImageFlux Live Streaming(イメージフラックス ライブ ストリーミング)」のWebRTCを採用し、無線通信で0.5秒以下の低遅延通信を実現した。
また、直観的に操作できるインタフェースを備えており、施工担当者は専用端末の画面上で「配信」ボタンをクリックするだけで映像配信を行える。技術者は配信されたURLにアクセスしてコンクリートの充填状況をリアルタイムに確認する。配信映像は自動的にクラウドサーバに保存し、施工完了後にいつでも確認可能だ。映像の閲覧以外にも、音声通話やチャットにも対応するなど、CFT充填作業の遠隔管理に必要な機能を備える。
鹿島建設は既に、複数の施工中の現場でmoni-asの効果を検証し、この結果、技術者が遠隔地からコンクリート充填状況をリアルタイムに確認できることが分かった。また、現場間の移動が不要になったことで、他現場の支援も可能になった。さらに、有線通信から無線通信への変更により、事前の配線作業が不要になるとともに、配信映像データの自動アーカイブ化でデータ移行作業も削減し、施工担当者の業務負担を大幅に軽減した。鹿島は今後、moni-asを配筋検査業務などの用途にも活用する。
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