長谷工コーポレーションは、福岡大学と共同開発した建設汚泥の固化処理技術を活用し、竹林整備で伐採した竹をチップ化して、マンション建設現場で固化材として再利用する取り組みを始めた。
長谷工コーポレーションは2025年7月9日、福岡大学工学部 教授 佐藤研一氏と共同開発した「竹チップを使った建設汚泥の固化処理技術」を活用し、伐採した竹をチップに加工してマンション建設現場で再利用する取り組みを開始したと発表した。
第1弾として、大阪府大阪市内のマンション建設現場で、奈良県明日香村の竹林整備で伐採し、5ミリ程度に砕いた竹チップ約5トンを建設汚泥の固化材として使用した。これにより約2.6トンのCO2排出量を削減した。
処理フローでは、まず、場所打ちコンクリート杭の掘削工事で発生した建設汚泥に、セメント系固化材と竹チップを添加して撹はんする。コーン貫入試験で固化状況を確認した後、運搬車両で中間処理場に搬送。中間処理場で再度固化処理を行い、再生土としての品質を確認した上で盛土材などに再活用する。
この技術を導入することで、セメント系固化材の使用量削減によるCO2排出量削減や竹の成長過程で吸収したCO2の地中への固定、伐採後の竹の有効利用による竹害問題の貢献などのメリットが期待できる。
長谷工コーポレーションは2017年9月に明日香村と「官民連携に関する包括協定」を締結。2018年からは「企業版ふるさと納税」制度を通じたさまざまな地域支援を行ってきた。今回の取り組みも地域支援の一環として位置付けられている。
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