建設DXの推進を目的に建設テック企業が中心となり、2023年1月に発足した任意団体「建設DX研究所」。本連載では、建設DX研究所のメンバー各社が取り組む、建設DXの事例や技術開発について詳しく解説していきます。今回は、セーフィーが提供する映像による建設DXについて紹介します。
近年、「8掛け社会」という言葉が注目を集めています。日本の労働人口が将来は大幅に減少するという予測に基づいたキーワードです。リクルートワークス研究所の予測※1では、2040年には全国の労働需要に対し、2030年には341万人以上、2040年には1100万人以上もの労働供給が不足するとしています。15歳から64歳までの働き手が現在の約8割にまで減少することを意味し、言葉通りの8掛け社会が到来することになります。労働力不足は、経済活動全般にも深刻な影響を与える可能性があり、早急な対策が求められています。
※1 リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる|報告書」(2023年3月28日発行)
同様に建設業界にも「8掛け社会」の波が来ています。2040年には、労働需要が298.9万人に対し、労働供給は233.2万人に留まると予測されており、約22%もの労働人口の減少が見込まれています。労働不足に加え、就業者の高齢化が進む業界で、若年層の就業を増やす各施策を打っているのは、こうした要因が背景にあります。
労働人口の減少に対しては、若年層の入職を促すだけでなく、他にもさまざまな対策が検討/実施されています。その一つが海外からの労働者の受け入れです。建設分野で活躍する外国人の数は約14.4万人に達し、全産業の外国人労働者の約7.1%を占めています※2。しかし、他産業でも需要は高く、人件費の高騰も考慮すると、外国人労働者の受け入れだけに頼ることは難しいのが現状です。受け入れと並行して、他の対策を講じることが不可欠となっています。
その重要な対策として挙げられるのが、労働生産性の向上です。限られた人員でより多くの成果を出すことを目指すものであり、その実現の鍵となるのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。本連載でもこれまで紹介してきたように、建設業界でもDXを推進することで、業務効率化やコスト削減、労働環境の改善が期待されています。今回は、建設業界でのDXの具体的な一例として、セーフィーの映像サービスがどのように寄与してきたかを紹介します。
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