三井住友建設は、プレストレストコンクリート(PC)橋の支保工を用いた施工部の合理化が実現する「Rap-con for staging工法」を開発し、新東名の橋梁工事に適用した。
三井住友建設は、プレストレストコンクリート(PC)橋の支保工を用いた施工部の合理化を実現する「Rap-con for staging工法」を開発し、新東名高速道路皆瀬川橋(仮称)に初適用した。
新工法は、先行架設する波形鋼板ウェブを架設材として活用することで、支保工の組立や解体を省略する合理化施工法だ。従来の固定支保工を用いたコンクリートウェブ橋と比べ、場所打ちコンクリート量を約40%低減した。
新東名高速道路皆瀬川橋(仮称)は、二級河川皆瀬川を跨ぐ急峻地形に計画された上下線で構成される波形鋼板ウェブ箱桁橋。架設工法は、河川を跨ぐ3径間は片持ち張出架設、それ以外の区間は固定支保工架設で計画していた。しかし、固定支保工区間の地盤は転石が点在し、急峻かつ脆弱なため支保工基礎の構築には大規模な地形の改変が必要だったため、波形鋼板ウェブを架設材に活用し、支保工を省く新たな合理化施工法を開発した。
施工手順は、波形鋼板ウェブを架設し、波形鋼板の下フランジ上にPCa下床版を敷設して、間詰コンクリートで一体化する。上床版は、波形鋼板ウェブ橋の張出し架設工法の「Rap-con工法」で多くの実績を有するリブ付きPC合成床版構造を採用。PCaリブを波形鋼板の上フランジ上に敷設し、その後、リブ間に埋設型枠となるPC板を敷設して、場所打ちコンクリートを打設。主桁構築後には、壁高欄を施工する。
PCa下床版と波形鋼板ウェブの接合部には、施工性と耐荷性、耐久性に優れた機械式定着鉄筋「Trunc-head(トランクヘッド)」を使用し、間詰コンクリートの一部には、低発熱かつ低収縮の「サスティンクリート」を用い、ひび割れ発生リスクを低減した。サスティンクリートは、材料に由来するCO2排出量を40〜90%削減する独自開発の環境配慮型コンクリート。
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