非破壊検査機器を開発するKEYTECの新製品となる鉄筋探査機「Flex NX/NX25」とコンクリ温度センサー「T-BLOCK」。国内で増え続けるインフラ構造物の老朽化対策に、最新鋭の探査技術はどのように活用できるのか?
コンクリート鉄筋探査機器のパイオニア「KEYTEC(キーテック)」は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」の構成展「第17回インフラ検査・維持管理展」(会期:2023年7月26〜28日、東京ビッグサイト東展示棟)で、同社が開発した非破壊検査機器を多数展示したなかから、注目の製品を紹介する。
KEYTECが2023年3月にプレス発表し、同年7月に発売したばかりの新製品で、実機の展示は今回が初めてとなったのが、地中探査レーダで世界トップシェアを誇る米国GSSI(Geophysical Survey Systems)と共同開発した高精度電磁波レーダ/鉄筋探査機「Flex NX」(本体機)と狭所探査用超小型ユニット「NX25」。
電磁波レーダとは、送信アンテナからコンクリート内部に電磁波を輻射し、その反射波を受信アンテナで受信することで、コンクリート内部の様子(埋設物など)を探査する装置のこと。鉄筋やPVC(塩ビ管)、電線管などの管といった空洞を探査できる。Flex NX/NX25で探査可能な最大深度は約75センチ。最大深度約60センチの従来製品よりも、さらに高深度化を実現した。
KEYTECのブース担当者は、「Flex NX/NX25には革新的な3つの特徴がある」と話す。その1つは、グリッドシートなしで3D検査ができるようになった。「従来は、2D探査で断面を確認し、埋設管などの存在が疑われる場合は、グリッドシートを貼って、改めて3D探査を行っていた。Flex NX/NX25ではVisual SLAM技術を活用し、グリッドシート無しでランダムに探査した2Dデータを利用した3D表示する」。
Visual SLAMの採用によって、測定面に沿って機器を自由自在に動かすことで、“まるでコンクリートの表面を消しゴムで消すかのように”、コンクリート内の鉄筋や埋設管の状況を確認し、探査の手間と時間が大幅に軽減される。
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