“AI自律飛行”で建設特化のSkydio製ドローンは何が革新的なのか?センシンロボティクスとの実証から探るドローン(4/4 ページ)

» 2022年10月14日 15時22分 公開
[石原忍BUILT]
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センシンロボティクスがSkydioを選んだワケ

 ENEOSカワサキラボを実証の場として提供したセンシンロボティクスは、ドローンやロボットといったロボティクス機器(デバイス)そのものの「SENSYN Devices」、AIによるデータ分析やロボット制御など業務を自動化するクラウドプラットフォーム「SENSYN CORE」、業務ごとのデータ活用のための専用アプリ「SENSYN Apps」と、それぞれ分かれているレイヤーを組み合わせたサブスクリプションのサービスを展開している。

センシンロボティクスの「SENSYN Devices」「SENSYN CORE」「SENSYN Apps」 提供:センシンロボティクス

 このなかでSkydioのドローンは、センシンロボティクスが掲げる「データ取得から、解析、レポート化までの全業務を一元化」でデータを取得する重要なデバイスの1つとしている。その先のデータ分析やデータの利活用は、両社共同で社内外での飛行検証を実施しながら、現場で求められている機能をSENSYN COREや業務用アプリ、外部のAPIとの連携で実用化することを目指している。

センシンロボティクスとSkydioが目指す機体とアプリケーションの連携 提供:センシンロボティクス
センシンロボティクス エンタープライズ事業 ロボティクスグループ 浅原拓也氏

 現時点では、SENSYN COREのデータ管理機能「Datastore」と既に連携している。Datastoreでは、データを取得して終わりではなく、データベースに格納をすることで、撮影日やプロジェクトごとのデータ自動仕分けやマーキングやコメントの記載など2次的な利用が可能になる。

 センシンロボティクス エンタープライズ事業 ロボティクスグループ 浅原拓也氏はSkydioとの協業について、「今まで、非GPS環境下でのドローン飛行は高額なカスタマイズで対応してきたが、Skydio機であれば顧客にとってリーズナブルな非カスタムも選択肢に加わる。また、磁場干渉が起きやすい現場条件があっても、コンパスセンサーに頼っていないため、エラーが起きることもなく、ドローンが活躍する現場が今まで以上に広がる」と話す。

 一方で3Dスキャンの活用例では、「地形の断面や盛土体積などの計測をはじめ、同一の場所で時間をおいて生成した3Dモデルで時系列での劣化検証、3次元で計測した地形データを用いた災害時に被災エリアの全体把握などでの利用が期待される。なかでも、現場の進捗管理で問い合わせが多く、積極的に提案していきたい」と抱負を語った。

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