三井不動産は、神奈川県海老名市で、2022年9月の竣工に向け、物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク海老名I」の開発を進めている。
三井不動産は、神奈川県海老名市で、物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク海老名I(MFLP 海老名I)」を2021年5月6日に着工した。
MFLP 海老名Iは、「グリーンエネルギー倉庫※1」として、ZEB認証を取得する。屋根には発電量が1年で約220万キロワットアワー(kwh)の太陽光発電設備を設置し、オンサイトでの発電・供給を実現するとともに、「グリーン電力提供サービス※2」で、施設内における使用電力の100%を再生可能エネルギーとし、入利用電力の100%再生エネルギー化「RE100」やESGといった入居企業のニーズに応える。
※1 グリーンエネルギー倉庫:ZEB認証を取得し、再生可能エネルギーを100%供給可能とすることで、利用実態に合わせた施設全体のCO2排出量実質ゼロを目指した環境配慮型施設(三井不動産が商標出願済み)
※2 グリーン電力提供サービス:三井不動産が保有・賃貸するオフィスビルなどのテナントや共同事業オーナー向けのサービス。同社のさまざまな電力グリーン化の仕組みを活用し、オフィスビルなどで使用する電力を非化石証書の使用によって実質的に再生可能エネルギーとして提供するもの
倉庫部分を除く共用部と事務所用途部分については、デシカント空調や地中熱ヒートポンプといった省エネ機器を導入することで、一次エネルギー消費に伴うCO2排出量を50%以上削減する。
今回の施設では、周辺環境との調和を図るために、隣接する海老名運動公園との緩衝帯にグリーンインフラ※3として雨水貯留池と緑地帯「海老名の森」を設ける。雨水貯留池は、最大貯水量が2100立方メートルで、敷地内の雨水を一度貯留し、緩やかに外部へ排水する他、景観に配慮した水辺空間として整備する。
海老名の森は、敷地全体の20%を占め、敷地面積は約1万平方メートルで、約1500本の高中木や約1万5000本の低木類などが植栽される。さらに、海老名運動公園との境界には公園側から借景となる桜並木を構築し、地域の景観にも配慮する。
※3 グリーンインフラ:自然環境が有する機能を社会におけるさまざまな課題解決に活用しようとする考え方で、米国で発案された社会資本整備手法。2020年3月19日に国土交通省より「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」が設立されるなど、近年は日本国内においてもその概念が導入されつつある
計画地は、圏央道の「海老名インターチェンジ」と隣接しており、首都圏の主要エリアへのアクセスが良好で、JR相模線/小田急電鉄小田原線「厚木」駅から徒歩11分と交通利便性に優れ、人材の確保もしやすい。MFLP 海老名Iには、周辺交通の安全性向上や渋滞緩和を目的に自動車専用の県道に出口を設け、トラックの自動運転や隊列走行にも応じる。
建物の外装では、「Organic Flow」をコンセプトに、自然への敬意をこめて有機的なパターンを抽象化したファサードを構築する。具体的には、木調のルーバーを配置し、四季の移ろいや太陽の光で刻々と表情が変化するファサードを想定している。建物東側の事務所棟は緑化バルコニー付きの高天井オフィスが連なる快適なワークプレースとする。
共用部では、コロナウイルス対策として、エントランスに体温測定カメラや消毒液を設置し、セキュリティゲートやエレベーターは非接触型を採用。また、施設最上階には相模川越しに丹沢連峰や富士山を一望できるラウンジを配す。
エントランスやラウンジの仕上げ材、家具には、三井不動産グループが北海道などで保有・管理する約5000ヘクタールの森林で伐採適期を迎えた木材や森のメンテナンスにより生じた間伐材を使用する。
BCP対策としては、施設内に72時間対応の非常用発電機や免震装置を完備し、洪水時を想定した地盤高さの設定なども行う。
MFLP 海老名Iは、免震構造のS造地上6階建てで、延べ床面積は約12万2200平方メートル。所在地は神奈川県海老名市中新田で、敷地面積は約5万6500平方メートル。設計・施工は日鉄エンジニアリングが担当し、竣工は2022年9月を予定している。
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