業界初!入庫から出庫まで全自動化した物流モデルの展示場、三井不動産プロジェクト(1/3 ページ)

三井不動産は物流業界で深刻化する人手不足問題を解決するために、ICTを活用した庫内業務の全自動化に注力している。2020年2月13日、船橋エリアの物流施設「MFLP 船橋・&GATE」内に、入庫から出庫まで自動化した業界初の物流フルオートメーションモデルを展示したショールームを構築した。

» 2020年02月18日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

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 三井不動産は2020年2月13日、千葉県船橋市に構える物流施設「MFLP 船橋・&GATE」内に設けたショールーム「MFLP ICT LABO 2.0」を開所した。MFLP ICT LABO 2.0は、入庫から出庫まで自動化した業界初の物流フルオートメーションモデルを展示している。

MFLP 船橋・&GATE

MFLP ICT LABOの10倍となる延べ床面積

 三井不動産のロジスティクス事業は“ともに、つなぐ。ともに、うみだす。”をステートメントに、単なるスペースのレンタルにとどまらず、入居企業へソリューションを提供することも念頭に置いて、物流施設を運用している。

MFLP ICT LABO 2.0

 MFLP ICT LABO 2.0を開設した要因には、物流業界の人手不足が深刻で、ICTを活用した自動化や効率化が急務なことがある。こういった状況を踏まえ、三井不動産は2017年9月に、MFLP ICT LABO 2.0の原型となる展示場「MFLP ICT LABO」を船橋市内で同社が手掛ける物流施設「MFLP 船橋 I」内にオープンし、250社以上の来場とディスプレイした物流ICT機器を10社を超える企業に導入した。

三井不動産 常務執行役員 ロジスティクス本部長の三木孝行氏

 三井不動産は、MFLP ICT LABOを運営していく中で、物流ICT機器を用いた自動化と省人化では、機器の組み合わせや全体コストの算出、回収判断など物流全体の分析が必要なことが分かったという。同時に、庫内の物流自動化で、さまざまな課題を抱えている企業が多いことも認識した。

 三井不動産 常務執行役員 ロジスティクス本部長の三木孝行氏は、MFLP ICT LABO 2.0開設の目的について、「物流専門ソリューション提案強化の1つとして、MFLP ICT LABOで実施していた機器単品展示に限定せず、庫内物流全体を自動化した“フルオートメーション物流モデル”を構築した。庫内物流全体の自動化と省人化に入居企業とともに取り組む場にしていく」と説明した。

 また、MFLP ICT LABO 2.0の能力については、「MFLP ICT LABOの10倍となる約1300平方メートルの延べ床面積で、物流の自動化を図っており、三井不動産の見積もりでは、従来作業と比較して、20人省人化できる」と説明した。

 なお、MFLP ICT LABO 2.0は、三井不動産が専門家とともに、2018年8月に設立した物流総合コンサルティング会社であるMFロジソリューションズがプロデュースした。

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