大阪・矢田南部地域の未利用地5.6万m2で物流施設2棟など複合開発、日本GLPが事業者に選定プロジェクト(1/2 ページ)

大阪・矢田南部地域にある大阪市が保有する未利用地は、日本GLPの再開発により、先進的な物流施設や商業施設、公園に生まれ変わる。

» 2021年06月02日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 日本GLPは、大阪市東住吉区矢田南部地域の開発事業者に選定され、2021年5月31日に大阪市と開発事業の円滑な実施に向けた協業について定めた基本協定と土地建物売買契約を締結した。

矢田南部地域は大阪市内でも特に少子高齢化が進展

大阪市東住吉区長 塩屋幸男氏

 同日に大阪市内で開催された協定締結式で、大阪市東住吉区長 塩屋幸男氏は、「矢田南部地域は、住居系の土地利用を中心に発展してきた東住吉区の中でも、特に少子高齢化が進展しており、住宅を増やす街づくりだけでは活性化が望めないエリアとなっている。さらに、大阪市の市政改革による事業の見直しや統廃合、建物の老朽化が原因で、矢田南部地域の施設は移転や建て替えなどが起き、供用を廃止しているものも多い。しかし、このエリアは、阪神高速大和川線や大阪市を南北に縦断する幹線道路に隣接し、大阪市における南の玄関口として機能しているため、物流施設の設置に適している」と現状の地域課題及び開発のメリットを語った。

 上記の問題や利点を踏まえて、東住吉区は、矢田南部地域の魅力を向上させ、にぎわいを創出し、人々の交流を促進する街づくりを行うために「東住吉区矢田南部街づくりビジョン」を2017年度に策定した。

東住吉区矢田南部街づくりビジョンの各テーマの目標 提供:東住吉区

 東住吉区矢田南部街づくりビジョンでは、「民間活力の導入による街づくり」「利便性の高い生活環境への転換」「豊かな地域コミュニティーの活性化の創造」「こどもから大人まで気軽にスポーツなどを楽しめる空間の確保」「大和川河川敷と一体となった街づくり」をテーマとし、将来像として「周辺住環境との調和がとれつつ、新たなにぎわいと活力を創出できる空間」を目標に掲げた。

 この将来像を実現するために、同区では、大阪市が保有する未利用地などの用地売却で矢田南部地域を再開発することとした。そして、街づくりに資する計画提案と価格を審査する2段階のプロポーザル方式で、矢田南部地域の開発事業予定者を募った。

 今回の再開発で売却対象となったのは、「旧地域活動支援プラザ」「旧矢田青少年会館の青年館と本館」「旧市民交流センターひがしすみよし」「旧戎湯」「旧矢田南住宅」「旧矢田地区公共施設建設用地」「旧大和川東公園(阪和貨物線跡地)」「旧健康創造館」の9施設。売却はされていないが、公共施設「矢田教育の森公園」「法定外公共物(里道・水路)」「府道・市道」「矢田中住宅・矢田中住宅(改良事業用地)」も対象に含まれる。

矢田南部地域の再開発の対象地 提供:東住吉区
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