セレンディクスは、大分県内の水力発電所で、建設用3Dプリンタを用いた詰所を建設した。発電施設の建屋としては世界初という本事例を足掛かりに、老朽化インフラの更新需要など公共分野での事業展開を本格的に加速させる。
セレンディクスは2026年10月26日、大分県内の水力発電所施設で、建設用3Dプリンタを用いた詰所を建設したと発表した。セレンディクスによると、発電所施設の建屋に建設用3Dプリンタ建造物が活用された事例は世界初という。今回のプロジェクトを皮切りに、今後はコンクリート構造物の代替需要を見据え、公共インフラ分野などでの事業展開を本格的に拡大する。
今回建設した詰所は、水力発電所の設備管理を担う作業員が利用する施設で、平屋建て鉄筋コンクリート造の延べ床面積約20平方メートル。休憩スペースや倉庫、トイレを備えた約20平方メートルの平屋建てで、セレンディクスが3Dプリンタ部材の製作から輸送、施工(内装を除く)までを担当した。
建屋は、壁だけでなく屋根まで含め、建屋全体を十数個のパーツに分割して建設用3Dプリンタで出力し、現地で組み上げる工法を採用した。3Dプリンタならではの自由な造形性を生かし、従来の型枠工法では難しい曲面などのデザインにも柔軟に対応。パーツの出力は熊本県水俣市の協力工場で行い、完成した部材を現地へ輸送して組み立てることで、現場作業の省人化と工期の短縮を両立させた。
水力発電所などの電力インフラは山間部などに点在し、人手不足や資材高騰が進む中での現場作業の省力化と工期短縮が課題となっていた。今回の事例は、工場での事前プリントと現地での短時間施工が、こうした課題の解決や環境負荷低減に応えうる工法かを実際の施設建設で検証する狙いがあった。
CTOの飯田國大氏は、建設用3Dプリンタを「建設現場を自動化するロボティクスのプラットフォーム」と位置付ける。高度経済成長期に整備された日本の社会インフラが更新期を迎える中、省人化や品質安定化を実現する新たな選択肢として、今後は住宅領域にとどまらず、鉄道や橋梁(きょうりょう)、災害対応などの社会インフラ領域のB2B展開を力強く進めていく。
万博で建築した3Dプリンタ住宅をキット販売、費用を抑えて施主が内装DIYも可
災害時に3Dプリンタ住宅を優先供給、セレンディクスと福島県須賀川市が協定
3Dプリンタ駅舎「初島」駅が利用開始、約2時間で組み上げ完了
3Dプリンタ住宅がカード1枚で購入可能に ダイナースクラブカードと提携
「住宅ローン地獄から解放を!」セレンディクスの300万円“3Dプリンタ住宅”が示す、未来の住宅建築
3Dプリンタ住宅ローンをオリコが提供、最大1000万円融資 5月には法人用も
建設用3Dプリンタの施工で累計100件超 Polyuseの技術が「NETIS」登録
3DプリンタでPCa構造物を大林組が製作 全長42m潜水突堤の先端に適用
3Dプリンタで原油関連施設の壁面を建設 日揮グローバルがサウジアラビアでCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10