夏季の建設現場での暑さ対策で、冷風を作業者にピンポイントで送るスポット空調機を導入するケースが増えている。しかし、吹き出し方向が固定しているため、作業者が移動すると冷風が届かなくなってしまう。空調設備会社の大気社は、その弱点を克服する製品として、AIが現場画像を認識して作業者に吹き出し口が自動追従する「FOLLOAS(フォロアス)」を開発した。
大気社は、「メンテナンス・レジリエンス2026」(会期:2026年7月15〜17日、東京ビッグサイト)と併催の「第12回 猛暑対策展」で、移動する人を追いかけて風を届ける吹き出し「FOLLOAS」を出品した。AIカメラが動く作業者を検知して追従するシステムで、冷風をピンポイントで届けて工場の暑さ対策を劇的に改善する。
FOLLOASは、カメラが捉えた特定の作業者をAIが認識し、常に吹き出し口を対象者に向ける。そのため、特定の範囲を移動しながら業務する作業者に対し、冷気を送り届け続ける。自動車工場のライン作業などで導入が進んでいるが、建設分野でも活用の機会が見込める
大気社が開発したFOLLOASは、カメラで人の動きを検知し、吹き出し口が自動で追従しながら向きを変える新しい発想の空調システムだ。人が移動しても冷風が狙い通りに届くため、スポット空調の冷感効果を維持する。
システムの中核を担うのは、AIによる画像認識技術だ。吹き出し口に設置されたカメラの画像から、人物の「頭の形」をパターン学習したAIが対象者を認識して追いかける。現場の環境に合わせ、作業用の帽子やヘルメットを被った状態の頭部もあらかじめ学習済みのため、現場での面倒な調整や追加学習は一切不要だ。設置後に、冷気が供給されていればすぐに使える手軽さも魅力だ。
1台あたりの追従範囲は、直径5メートルを想定。エリア内であれば、移動を伴う作業でも常に冷風を送り届ける。2024年11月の発売以来、200台近くを出荷しており、自動車メーカーや部品メーカーの組み立て/検査のラインなど、一定の範囲内を動きながら作業する現場で導入が進んでいる。
FOLLOASの利点は、導入の手軽さと運用のしやすさにある。吹き出し口はコンパクトにユニット化しており、単体で取り付けられる。既存の空調ダクトに設置可能で、短い工期で導入できる。
FOLLOASを開発した大気社は、空調設備会社だ。空調に関する多くのノウハウを持ち、施主の環境に合わせた提案ができる。FOLLOAS自体も既存の空調ダクトに接続するタイプ、ダクト設備がない現場向けの空調機とFOLLOASがセットになった一体型モデルを用意している。風量不足時のファン設置や空調機の自動制御システムと連動させた運転同期など、ユーザーに寄り添った総合的な提案を可能にしている。
ブースで来場者の対応にあたった大気社の担当者は、今後はFOLLOASのさらなる進化も予定していると明かした。作業者との距離に応じた風量制御、エリア内の人の有無による運転制御の他、基幹空調機と連動した複数台の運転制御などの計画があるという。
スマートメンテナンス:暗所や低画質の映像を鮮明化する「清眼」 点検や防犯、AI解析の精度向上にも
Archi Future 2025 Playback:建設スタートアップ企業は「スマートビル」の未来をどう見るか 3社が明かす現場のリアル
メンテナンス・レジリエンス2026:重いボトル交換から解放、ゼコーの純水給水システムが現場の熱中症を防止
メンテナンス・レジリエンス2026:研修資料をアップするだけでAIが動画化する「WriteVideo」、60言語翻訳やクイズ生成も
スマートメンテナンス:高速道路の異常をクラウドカメラで瞬時に特定、セーフィーがNEXCO中日本と協業
スマートメンテナンス:下水管向け道路陥没の予兆検知システムを開発、日水コンとCSJ
現場管理:使い慣れた帳票をそのままデジタル化、ANDPADレポート提供開始Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10