福岡県の建築会社オカショーは、従業員の自律的な行動を促すため、経営者の理念や価値観を学習した「AI社長」を導入した。LINEなどのチャットを通じて24時間相談でき、「指示待ち」からの脱却と考える社員の育成で、建設業の組織課題の解決につなげる。
福岡県大野城市に本社を構える建築会社のオカショーは、THAが開発した独自のAIチャット機能「AI岡田社長」を2026年5月末から運用している。注文住宅や店舗設計、非住宅建築などを幅広く手掛けるオカショーは、AI社長の活用で、目の前の業務をただこなすだけの指示待ち社員から脱却し、自ら考えて挑戦できる自律的な人材を育てる組織づくりを目指す。
今回導入したAI社長は、THAが開発を手掛ける企業ごとに開発するAIチャットサービス。オカショー代表の岡田淳伸氏の理念や価値観、経営視点、独自の社内知識を深く学習している。従業員はLINEなどの使い慣れたコミュニケーションツールを通じて、24時間365日いつでもAIに相談を持ちかけるられる。現場での業務判断や顧客対応に迷った際の頼れる相談役として機能する他、会社制度や就業規則に関する質問にも即座に回答し、日々の業務をきめ細かくサポートする。
オカショーが導入した背景には、組織規模の拡大に伴うコミュニケーションの課題があった。従業員が社長へ直接聞きづらい状況が生まれ、相談先が限られる結果、指示待ちの状態に陥りやすいという悩みを抱えていた。
指示待ち克服のため、顧客対応や現場での判断に迷った際、AI岡田社長は単に正解を教えるのではなく、「あなたはどう考える?」とあえて問い返す独自の対話設計を組み込んでいる。従業員自身の思考力を引き出し、経営者視点を共有しながら「考える力」を育成する狙いがある。
岡田氏は、一人ひとりと深く向き合う時間が限られる中で、「いつでも気軽に相談できる存在をつくりたかった」と導入の経緯を語る。自身の考え方ややり方を全従業員へ浸透させる仕組みとしてAIを活用し、社員が日々入力する相談内容から組織の隠れた課題をすくい上げ、システムをさらに使いやすい形へと育てていく方針だ。
THA 代表取締役 西山朝子氏も、「判断に迷ったときにAI社長が背中を押し続けることで、社員一人ひとりが自律的にチャレンジできる組織へ着実に育つ」と確信を示す。単なる業務効率化ツールを超え、組織文化そのものを育む新たなパートナーとして、AI活用の可能性が見出せる好事例となりそうだ。
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