東北電力の火力発電所で運用、AIが労働災害事例を提案するサービス提供開始安全衛生

トインクスは、AIが作業内容に合った労働災害事例を提示し、現場の労働災害を未然に防ぐ「労災防止AIサービス」の提供を開始した。形式化してしまっている作業前KY(危険予知)活動や安全パトロールに、注意点などの気付きをもたらす。

» 2026年02月09日 09時00分 公開
[BUILT]

 トインクスは2026年2月5日、AI技術を活用した現場安全管理支援ツール「労災防止AIサービス」の提供を開始した。東北電力グループ内での実証を基に構築したサービスで、必要に応じて各業種に応じたカスタマイズも可能となっている。火力発電所を中心に実績を重ねてきた安全管理技術ノウハウをベースに、建設業や設備保全業務など、幅広い業種の安全活動に応用できる。

AIが3つの視点で、安全対策の“気付き”を提示

 労災防止AIサービスは、作業内容や環境情報から過去の労働災害事例を分析し、関連性の高い事例を提示する。通常のデータベース検索では見落としがちな潜在的リスクも、AIが事例を発見し、安全対策への「気付き」を促す。

 入力する項目は、「天候」と「作業内容」といった最小で2項目だけで、直感的に把握できる写真や色分けされた災害事例を提案する。特定端末に限定されず、PC、スマートフォン、タブレットなどでもアクセスできる。クラウドタイプのため、ユーザーごとに独立した環境を提供し、サイバーセキュリティ対策も講じている。

「労災防止AIサービス」の画面イメージ 「労災防止AIサービス」の画面イメージ 出典:トインクスプレスリリース

 労災事例を検索するAIは、入力した作業情報と過去の労働災害事例との「文章の類似度」、発生しやすい災害の区分を予測する「事故の型予想」、ベテラン作業員の納得感が高い事例をAIに学習さる「ベテランの思考法」の3つの視点から、作業内容と関連性の高い過去の災害事例を自動で提案する。

 「労災防止AIサービス」の仕組み  「労災防止AIサービス」の仕組み 出典:トインクスプレスリリース

 これまで火力発電所を中心とした東北電力グループ内で先行導入され、「作業前ミーティング」や「安全パトロール」などに活用されている。作業内容に応じた関連性の高い災害事例を半自動で示すことで、労働災害の未然防止に寄与。現場部門からは、「実作業に即した安全確認ポイントが提示され、気付きにつながっている」「作業前KY(危険予知)活動の質向上」「現場パトロール時の適切な判断を支援」「ベテラン依存の低減とナレッジ継承の促進」「過去事例の再活用による業務効率化」などの効果が上がったという。

 日々の安全活動では、経験に基づく判断に依存しがちな傾向があり、ベテラン経験者とそれ以外の担当者との間で知見に差が生じるケースが多い。加えて、過去の労働災害事例が十分に活用されておらず、安全活動そのものが形式化してしまっているといった課題も指摘されている。

 こうした課題を解決するため、これまで東北電力グループ内で実証と活用を進めてきた仕組みを基に安全対策において見落とされがちな新たな気付きを提供する「労災防止AIサービス」をリリースするに至った。

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