仮設トイレ組み立て/撤去では、日本トイレ協会と連携。簡易キットを用意し、その場で1人ひとりのトイレを作成した。避難所生活の衛生環境を大きく左右するのが、排泄の問題だ。避難所では断水でトイレを使えないケースも多く、携帯トイレや簡易トイレの活用が重要になる。「衣食住の確保と同じくらい知っておくべき知識だと感じた」と感心する参加者が多かった。
ウォークスルーでは、避難所を運営する側を想定。体育館の広さに応じて収容できる人数の把握、個人情報の確認方法などの知識を提供した。
午後からは、日本防災キャンプアウトドア協会と協力。災害時の「食の備え」をテーマに、「災害食/サバイバルご飯づくり」を実施した。屋外に集まり、空き缶で炊飯した米を試食。協会の代表理事を務める山崎晶之氏(※崎=たつさき)は、「キャンプのアウトドアは、非常時と状況が似ており、訓練になる。例えば牛乳パックは、火種にも、まな板にも、食器にも、添え木の代わりにもなる。イザという時に慌てないためにも、まずは経験するのが大切だ」と語る。
室内に移ってからは、火を使わずに加熱調理できる発熱剤「モーリアンヒートパック」を使ってトマトリゾットを調理。最長25年間の保存が可能で、粉末に湯を注ぐだけで食べられる缶タイプのチキンカレーも開封して味見した。皿には、山崎氏が前述した通り、牛乳パックでつくったお皿とスプーンを使用。皿部分にラップを敷けば、何度でも使えるとライフハックも共有した。
14時過ぎからは、2人1組で単身の成人男性、高齢者、女性、乳幼児の複数避難者などの6種類の役割を割り当て、それぞれの立場に応じた「備蓄品セットづくり」のワークショップを行った。NTT東日本 防災研究所が司会を務め、「自分にとって本当に必要なものを事前に把握し、綿密に準備しておくことは欠かせない」とした。
その後は、「未来型の避難生活体験」として、水づくり/シェルターづくり/発電サイクリングという3つのテーマで、約15分ずつ実施。断水時に河川や雨水などの水を浄化できる浄水器、空気中の水分から飲み水を生成するウォーターサーバ、自転車を漕いで電力を生み出す回生電動アシスト装置など、最新の防災テクノロジーを体感した。
全てのプログラム終了後は、参加者と振り返り。KNT−CTホールディングスは今回の体験会をフィードバックし、より良い「廃校活用防災事業」を推進するとした。今後も、「旅」と「旅を超えた」さまざまなサービスを提供するとともに、創立70年の感謝を形にし、次の時代へとつなぐ多様なサービスを展開していく。
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