鹿島建設が愛知県名古屋市で開発を進めてきた「名古屋伏見Kフロンティア」が竣工した。旧建物の解体から、設計、施工、竣工後の運営に至るまで、鹿島建設の先進的なノウハウや技術が活かされている。
鹿島建設は2025年11月4日、愛知県名古屋市で開発を進めてきたハイグレード賃貸オフィスビル「名古屋伏見Kフロンティア」が竣工したと発表した。
鹿島建設が開発から設計・施工までを一貫して手掛けたS造/一部SRC造の地上13階建て、延べ床面積は25,810.64平方メートル。「伏見」駅から徒歩1分に位置し、伏見から敷地内に直接アクセスができる。設計は鹿島建設、施工は鹿島建設/矢作共同企業体。
旧建物の解体から、設計・施工、竣工後の運営に至るまで自社のノウハウや技術を活用し、工事にはBIMや多様なロボットを積極的に導入。外装工事では全工程を外装取付アシストマシンで施工し、作業の大幅な効率化と安全性向上を実現している。
環境面では、建物ライフサイクル全体のCO2排出量の削減に取り組んだ。既存地下躯体の利用による資材削減や低炭素素材の採用、省エネ性能の高い設備機器の選定などを実施。基本設計段階と比べて、ライフサイクルカーボンが35%削減した。建物運用開始後には、グリーン電力の導入や最適な更新/修繕プランの策定などによりCO2排出量を削減する。
オフィス空間は、専有部の執務環境に加え、共用空間にも働きやすさを追求してWell-beingなオフィスを実現。屋上は、約450平方メートルのテナントワーカー専用のテラスを完備した。緑の多い空間の中にテーブルや椅子を配置し、休憩やランチの他、作業/ミーティングスペース、貸し切りイベントなど幅広い利用に対応する。
1階エントランスから専有部への動線上には、ラウンジ空間「F LOUNGE」を配置。各階共用部のリフレッシュコーナーと併せてテナントワーカーが気軽に利用できるよう工夫している。
鹿島建設開発の制震装置「ハニカムダンパ」を採用し、地震発生時も高い安全性を確保。地震発生後には、建物安全度判定システム「q-NAVIGATOR」により、早期に建物の健全性を把握できる。災害などによる停電発生に備え、2回線受電システムによる電力の安定供給に加えて共用部と一部の専有部に、24時間分の電力を供給可能な非常用発電設備を設置。1階ロビーには、名古屋市の都市再生安全確保計画に基づく退避施設として、災害時に帰宅困難者を受け入れられるスペースを設けている。
また、オフィスにおける健康性や快適性、利便性向上、安全性確保への配慮が評価され、CASBEEスマートウェルネスオフィス認証の最高位「Sランク」を取得。さらに高性能Low-E複層ガラスや高効率空調システムの導入、LED照明や明るさセンサーによる適正な照明設定などにより、一次エネルギーの年間消費量を50%以上削減し、BELS認証の「ZEB Ready」を取得している。
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