帝国データバンクによれば、コスト上昇分を販売価格にどの程度反映できているかを示す価格転嫁率が、2025年7月末時点で39.4%となり、調査開始以来最低を記録した。建設関連では建設業の41.0%や建材卸売の53.2%などが全体平均を上回った。
帝国データバンクは2025年8月28日、企業がコスト上昇をどの程度販売価格に上乗せできたかを示す価格転嫁率が、7月末時点で39.4%だったと公表した。2025年2月の前回調査から1.2ポイント低下し、調査開始以来最低となった。
建設/不動産関連の価格転嫁率は、「建材卸売」が53.2%(前回調査57.8%)で最も高く、次いで「建材製造」44.7%(44.1%)、「建設業」41.0%(39.6%)、「不動産業」23.8%(22.7%)の順だった。「提供する物やサービスが顧客のニーズに合致していることや顧客へのコスト上昇理由を誠実に伝えているため、価格転嫁できている」(建設業)の声も寄せられていた。
調査は2025年7月17日〜7月31日にかけてインターネットで実施し、1万626社(全国2万6196社対象)から回答を得た。
自社の主な商品/サービスに関して、コストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているかを聞いたところ、「多少なりとも価格転嫁できている」と回答した企業は73.7%で、前回調査から3.3ポイント低下した。
転嫁率の内訳は、「2割未満」が23.9%(前回24.7%)と最多で、また「5割以上8割未満」が17.1%(18.6%)、「2割以上5割未満」17.0%(17.2%)と続き、部分的な転嫁にとどまる企業が大部分を占めた。一方で、「全く価格転嫁できない」と回答した企業は、前回調査から1.3ポイント増の12.5%と、依然として1割を超えている。
今回の結果を受け、帝国データバンクは、多くの企業が価格転嫁に苦戦しており、その負担を自社で吸収し続けている現状にあると指摘。このままでは、企業の収益力が低下し、持続的な賃上げやイノベーションへの投資が停滞する可能性が高いと警鐘を鳴らす。
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