安藤ハザマは、八潮の道路陥没事故を受け、下水道インフラの専門チームを設置した。自己治癒や防菌の機能を持つコンクリートや腐食を防止するスラスラ工法などを下水道管理者に提案するとともに、新技術の開発にも取り組む。
安藤ハザマは、下水道インフラの調査、診断、修繕、改築に至る一連の技術を速やかに展開するべく、2025年10月から専門チームを設置したと2025年11月6日に公表した。
2025年1月に埼玉県八潮市で発生した幹線下水道管路損傷に起因する大規模陥没事故では、硫化水素で腐食した下水道管が原因との見方が示された。設置から長期間経過した下水道インフラの老朽化は全国規模の課題で、その対策が急務となっている。
国土交通省の下水道管路を対象とした全国特別重点調査では、調査が完了した785キロの中で最も危険度の高い「緊急度I」と判定された要対策延長(原則1年以内の速やかな対策が必要と見込まれる推計延長)は75キロに上る(2025年11月5日公表)。
こうした現状を踏まえ、安藤ハザマは、下水道管路の健全度を向上させるため、いま提供できるソリューションを取りまとめ、保有技術の展開や新たな技術開発を担う専門チームを設置して取り組むことを決めた。
安藤ハザマの有するソリューションとは、「防菌コンクリート」「バイオスマートコンクリート」「スラスラ工法」。
防菌コンクリートは、自社開発の防菌剤を混和したコンクリートの耐食工法で、硫黄酸化細菌によるコンクリートの硫酸劣化を抑制する。他の微生物や環境への影響がなく、効果が長期間持続する。適用製品は、現場打ちコンクリート(レディーミクストコンクリート)、コンクリート2次製品(鉄筋コンクリート管、マンホール、ボックスカルバートなど)、補修用モルタル(下地モルタル含む)、グラウト。
バイオスマートコンクリートは、強アルカリ条件下でも代謝活動と増殖が可能な強アルカリ耐性菌「AH株」をコンクリートに練り混ぜ、その代謝活動によってひび割れを自己治癒させる効果を持つコンクリート。強アルカリ材料のコンクリート中でも活動し、炭酸カルシウムを析出してひび割れを閉塞するとともに、酸素を消費/除去することで鉄筋の腐食を抑制する防錆機能も併せ持つ。漏水実験では、繰り返し導入したひび割れが自己治癒し、漏水が止まることを確認した。
スラスラ工法は、既存のコンクリート構造物に専用モルタルを吹付け、「スラスラシート」と称する高分子シートを差し込むことで構造物と一体化させる工法。専用モルタルの防菌作用とシートの耐薬品性などで、長期間にわたり高い防食性能を発揮する。
下水道インフラの専門チームでは、他にも下水道インフラの健全度向上に寄与する技術開発に取り組んでおり、進捗に合わせて順次展開する。今後、専門チームで得た成果とともに、下水道管理者に提案し、下水道インフラの整備につなげる。
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