国土交通省は2024年度版の「道路メンテナンス年報」を公表した。直轄国道を対象に実施した路面下空洞調査の結果、陥没の可能性が高いとされた119カ所はすべて修繕に着手し、118カ所で完了した。
国土交通省は2025年8月25日、橋梁(きょうりょう)、トンネル、道路付属物などの維持管理状況をまとめた「道路メンテナンス年報」の2024年度版を公表した。直轄国道を対象に実施した路面下空洞調査の結果、陥没の可能性が高いと判定された空洞は119カ所あり、全ての場所で修繕に着手したと報告した。
路面下空洞調査は、調査対象延長の約15%に当たる延長3079キロで実施。4739カ所で空洞を確認した。路面陥没の可能性が高いと判定された119カ所のうち、118カ所で修繕が完了。危険度が中程度と判定された2076カ所では、修繕の優先度が高い207カ所のうち61カ所で既に着手し、45カ所で完了している。
道路橋やトンネルなどの定期点検は2014年度に義務化され、5年ごとに実施されている。2024年度からは3巡目が開始し、1年目の点検実施率は橋梁が18%、トンネルが17%、道路附属物が18%と、2巡目1年目を上回った。
建設後50年以上経過した橋梁数は、2018年度末時点の約13万橋から約23万橋に増加している一方、早期/緊急措置が必要な判定区分III/IVは同約6.9万橋から約5.3万橋へ減少し、修繕が着実に進捗していることが分かった。
一方、判定区分III/IVの橋梁は5年以内に措置を講ずるべきとされているが、2019年に診断された地方公共団の橋梁に対し、2024年度末時点で修繕に着手した割合は76%にとどまっていた。
今回の年報では、電力/通信/ガス/上下水道といった地下占用物の調査修、繕結果も整理した。水道管路では約79万キロのうち約35万キロを調査し、1.4万カ所の不具合を発見、1.2万カ所で措置が完了している。
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