空き家の住宅ローン検討者と銀行をマッチング、アットホームがクラウドローンと提携:空き家問題
アットホームは、クラウドローンとのサービス提携を開始した。全国の空き家を探せる「空き家バンク」の利用者は、個人と銀行ローンをマッチングするWebサービスを介し、空き家ローンの提案を複数の銀行から受けられるようになる。
不動産情報サービスのアットホームは、融資のマッチングプラットフォーム「クラウドローン」を運営するクラウドローンとサービス提携を開始したと2025年7月に公表した。
「アットホーム 空き家バンク」と「クラウドローン」が連携 出典:アットホームプレスリリース
アットホーム空き家バンクは2017年10月の開設以降、空き家などの物件情報をはじめ、自治体や地域の情報などを発信するWebサイトとして、コンテンツの拡充を図ってきた。
今回の提携により、アットホーム 空き家バンクの利用者はクラウドローンを介し、信用情報に基づいた空き家ローンなどの提案を複数の銀行から受け取ることが可能になる。
クラウドローンは、登録者10万人以上(2025年1月時点)のお金を借りたい個人と銀行ローンを最適マッチングするWebサービス。居住地に関係なく全国の地方銀行が提供するローンを利用でき、事前審査から申込みまでがWeb上で完結する。
2023年6月には、空き家ローンマッチングのためのメニューを設定した。通常の住宅ローンでは契約できない空き家購入資金に、個人与信のみで契約できる商品を開発した銀行にマッチングを行う。移住や多拠点として物件を購入する人のハードルを下げ、空き家の流通促進につなげる。
アットホーム 空き家バンクは、全国の空き家物件の集約や検索に加え、テーマでの物件検索の他、消費者に向けた地域の魅力や移住/定住に関する取り組みなど、自治体の事業や制度周知をお手伝いするコンテンツや機能を取りそろえている。参画自治体数は2025年6月末時点で864自治体、掲載物件数は1万件を超えている。
「アットホーム 空き家バンク」 出典:アットホームプレスリリース
空き家問題:空き家の固定資産税も賄う“無料リノベ”のサービス開始、さくらホーム
北陸の不動産会社さくらホームは、空き家で発生する固定資産税や修繕費の負担を軽減し、無料のリノベーションで資産価値をアップさせる空き家活用のサービスを開始した。北陸エリアを対象に空き家の悩みを抱える多くの所有者にとって、負担なしで修繕が可能になり、契約後には所有者に物件がそのまま戻るため、売却や賃貸など次の用途も見込める。
空き家問題:空き家をコンパクトオフィスに ハタスが“負動産”の活路を見出す新事業開始
ハタスは、スタートアップやスモールビジネス向けのコンパクトオフィス「Petit Bureau」を販売開始した。売るに売れず維持管理にも費用が掛かり、所有しているだけで負の財産となってしまう空き家や空き地などの負動産を、スモールビジネスに適した事務所に再活用する新事業だ。
アットホーム 空き家バンクといまばり空き家バンクがAPI連携開始
「アットホーム 空き家バンク」が今治市移住・定住・交流ポータルサイト「いまばり暮らし」の「いまばり空き家バンク」と物件データのAPI連携を開始した。
アットホームが「空き家対策モデル事業」の実施事業者に採択
アットホームは、2022年度の国土交通省住宅局の支援制度「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」において、2022年7月「ポスト・コロナ時代を見据えて顕在化した新たなニーズに対応した総合的・特徴的な取組を行う事業」の実施事業者に採択された。自治体が抱える空き家バンクの課題解消に取り組み、参画自治体の増加・利用を図る。
クラッソーネと南知多町が空き家解体促進に関する連携協定を締結
愛知県知多郡南知多町は、町内の安全性向上や魅力のアップを目的に、クラッソーネと「空き家除却(解体)促進に関する連携協定」を締結した。今後、総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」で発見された1100戸の空き家を対象に、クラッソーネが運営する解体工事の一括見積もりWebサービス「くらそうね」を紹介し、空き家の解体を促す。
産学官の専門家が提唱「人口減時代に増え続ける“空き家”への経済的視点での有効策」
全国的に空き家問題が深刻化している。空き家の数は一貫して増え続け、今後は少子高齢化に伴い世帯数の減少が本格化し、勢いはさらに増すとみられる。地域に空き家が増えることは所有者だけでなく、治安や防災面の不安などさまざまな悪影響を及ぼす。空き家問題に取り組む産学官の団体「全国空き家対策コンソーシアム」が主催したセミナーで、専門家らが経済の観点から空き家問題を分析し、解決に向けたアプローチをレクチャーした。
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