北陸の不動産会社さくらホームは、空き家で発生する固定資産税や修繕費の負担を軽減し、無料のリノベーションで資産価値をアップさせる空き家活用のサービスを開始した。北陸エリアを対象に空き家の悩みを抱える多くの所有者にとって、負担なしで修繕が可能になり、契約後には所有者に物件がそのまま戻るため、売却や賃貸など次の用途も見込める。
石川県、富山県、福井県で売買・賃貸仲介を中心とした宅地建物取引業を展開するさくらホームは2024年12月5日、空き家所有者で売却や賃貸などの決断がつかない人向けに新サービス「空き家ゼロ円リノベ」を開始した。
空き家ゼロ円リノベのサービスは空き家所有者から、さくらホームグループが建物を借り上げ、リノベーションをした上で、一定期間転貸して空き家を活用する。リノベーション費用はさくらホームグループが全額負担し、賃貸運用で回収するため、所有者に負担が掛からない。
借り上げ期間中は契約料(固定資産税程度)を受け取ることができるため、実質負担なく空き家の資産価値を向上させられる。契約期間満了後にはリフォームされた空き家が所有者に戻り、売却や引き続きの賃貸など次の活用方法も見い出せる。
政府は相続登記の義務化や空き家特措法を改定するなど空き家対策を強化してきたが、「思い入れがあってすぐに売りたくない」「リフォーム費用が捻出できない」といった理由で、空き家をそのままにする所有者は多い。また、空き家管理を委託するにも費用が発生し、結果として長期間放置されてしまい有効に活用されていないのが現状だ。
一方で、住まいや事業スペースとしての物件の需要も根強く、適切な管理とリノベーションによって資産価値が大きく向上するケースも散見される。
そこでさくらホームはこうした空き家活用に対するニーズの高まりを受け、空き家ゼロ円リノベのサービスを立ち上げるに至った。
対象エリアはさくらホームの営業エリアとなっている石川県、富山県、福井県で、地元に密着したサポートを提供する。空き家に関連する相談も無料で対応し、相続登記や室内の荷物片づけ、建物解体など、空き家に関する諸問題に対しての各種見積りも無料で提案するという。
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