ABBロボティクスとCosmic Buildingsは、山火事で被害を受けた米ロサンゼルス地域の住宅再建に向け、AIを活用したロボットと移動式マイクロファクトリーを導入している。
スイスの重電メーカーABBは2025年8月6日、大規模な山火事で被害を受けたロサンゼルス地域の住宅再建に向け、Cosmic Buildingsと共同でAIを活用したロボットと移動式マイクロファクトリーによる新たな建設技術を導入したと発表した。従来工法に比べて建設期間を最大70%、コストを約30%削減できるという。今後、2027年までに100戸の住宅建設を目指す。
2025年1月の山火事では南カリフォルニア州で数千エーカーが焼失し、1万6000棟を超える建物が被害を受けた。ABBロボティクスとCosmic Buildingsはパシフィック・パリセーズに移動式のマイクロファクトリーを設置し、モジュール構造物を製造して現場で組み立てる住宅建設に着手した。
マイクロファクトリーには、ABBの高精度大型ロボット「IRB 6710」と「RobotStudioデジタルツインソフトウェア」、CosmicのロボットワークステーションセルとAI駆動のBIMを統合。設計、許認可、調達、ロボットによる製造、組み立てを扱うエンドツーエンドのプラットフォームを構築している。
施工前にはデジタル環境で建設プロセス全体をシミュレーションして最適化が可能。ミリ単位の精度で構造壁パネルを製造し、現場での進捗に合わせて適切なタイミングで供給する。建設コストは、住宅1平方フィート当たり550〜700ドルで、ロサンゼルスでの一般的なコスト800〜1000ドル超を下回る。建設時間は1戸当たり約12週間。また、廃材を最小限に抑えられるのも特徴だ。
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