遠隔操作型建機にロボットハンド搭載、がれきや電線を確実に把持 熊谷組が公開実験i-Construction 2.0

熊谷組は、ロボットハンドを遠隔操作可能な小型バックホウに搭載し、把持性能を検証する動作実験を、茨城県つくば市の技術研究所で公開した。

» 2025年08月13日 15時00分 公開
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 熊谷組は2025年8月7日、茨城県つくば市の技術研究所で、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)開発のロボットハンドを自社の遠隔操作型小型バックホウに搭載し、不定形のがれきなどの把持性能を検証する動作実験を公開した。

ロボットハンドとフォークグラブ付きバックホウ 出典:熊谷組プレスリリース
ロボットハンド(提供:ETHZ) 出典:熊谷組プレスリリース

 実験に使用したロボットハンドは、4本の指で対象物の形状に合わせて包み込むように柔らかく把持できる点が特徴。各指をワイヤで駆動する構造を採用している。

 遠隔操作型小型バックホウは災害対応を目的とし、クローラ部が水没しても稼働できる設計だ。バケット部にロボットハンドやフォークグラブを取り付け、自由度と剛性を追加することで把持機能を高めている。

 公開実験では、従来のグラッパでは困難だったがれきや電線、ホースなどを安全かつ確実に把持できることを確認。また、2025年3月に動作確認を行ったプロトタイプ2号機から大型化したプロトタイプ3号機(手のひらの約3倍サイズ)の実用性を検証した。

 公開実験はムーンショット型研究開発事業「CAFEプロジェクト」の一環として実施。CAFEプロジェクトでは「多様な環境に適応しインフラ構築を革新する協働AIロボット」の研究開発を推進している。プロジェクトの一環としてETHZとの国際共同研究を実施し、ロボットハンド技術を建設機械に統合した災害対応システムの構築を目指している。

ホースなどを安全かつ確実に把持できることを確認 出典:熊谷組プレスリリース

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