鉄建建設は、光洋機械産業とアイ・ロボティクスの技術協力のもと、3Dスキャニング技術に関する実証実験を開始した。
鉄建建設は2025年8月4日、光洋機械産業、アイ・ロボティクスの技術協力を受けて、3Dスキャニング技術に関する実証実験を開始したと発表した。3Dハンディスキャナーや四足歩行ロボット、360度カメラ搭載ドローンを使用したSfM(Structure from Motion)など複数の手法を組み合わせ、熟練の技術者を必要としない中小規模現場にも適用できる運用モデルの構築を目指す。
鉄建建設は従来、3D点群測量や360度画像の活用などで3Dデータ取得に取り組んできた。しかし、技術者の不足やコスト面の課題から、運用は大規模プロジェクトに限られていた。
今回、鉄建建設の建設技術総合センター内にある軌道再現施設や地下空間施設などで、低コストで導入が容易な「3Dハンディスキャナー」を使用して3D点群データを取得し、機械の性能確認や取得データの活用を検討する実証実験を実施。建設現場の規模や用途に関わらず、施工管理におけるコストパフォーマンスの向上を図りながら、効率的に3Dスキャニング技術を活用する手法を検証した。
実証実験の結果、3Dハンディスキャナーは中小規模現場でもコストを抑えて運用可能なこと、屋内外施設で高精度な点群構築が可能であることが分かった。さらに、歩行速度や水平維持などある程度の技術で再現性の高い3Dデータ取得が可能なこと、取得したデータを施工計画や品質管理へ応用することで、現場全体の業務プロセスが改善されることが確認できた。
今回の成果は社内にフィードバックし、各部門が進めるDXの取り組みと整合性をとりながら、運用フローの構築に取り組むという。光洋機械産業とアイ・ロボティクスと引き続き連携し、多様な現場モデルでの適応と3Dデータの活用を検討していく。
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