ゼネコン21社が「AIカメラ」を活用した配筋検査サービスを先行導入現場管理

配筋検査システム協議会のゼネコン21社は、配筋を立体検知するAIカメラを活用し、配筋検査作業の時間を半減するサービスを先行導入した。

» 2024年05月02日 16時00分 公開
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 配筋検査システム協議会に参画するゼネコン21社と、パナソニック(現・パナソニックホールディングス)とトヨタ自動車の合弁会社で2020年1月に設立したプライム ライフ テクノロジーズは2024年4月8日、配筋検査の品質向上と業務効率化をサポートする配筋検査システムを共同開発し、2024年4月から建設DXサービス「CONSAIT(コンサイト)」の第一弾として先行導入を開始したと発表した。今後は、プライム ライフ テクノロジーズを介し、ゼネコン21社向けに月額サブスクリプションで提供していく。

検査や記録の正確性や検査品質が向上、作業時間も2分の1に

「CONSAIT」の使用イメージ 「CONSAIT」の使用イメージ 出典:大末建設プレスリリース

 CONSAITは、パナソニック エレクトリックワークス社の技術を活用して開発したAIカメラ「CONSAIT Eye」で、配筋を立体的に検知し、鉄筋径や本数、ピッチ、鉄筋配置を計測。登録した設計データとも自動照合し、その結果を各帳票フォーマットへ自動反映する。検査や記録の正確性、検査品質が向上し、配筋検査の煩雑な作業も効率化につながるため、1測定箇所あたりの事前準備や検査/写真記録、帳票化の合計時間が約2分の1に短縮する。

AI カメラ(配筋検査専用デバイス) AI カメラ(配筋検査専用デバイス) 出典:大末建設プレスリリース

 CONSAITのサービス構成は、専用AIカメラのCONSAIT Eye、建設現場全般の記録業務を効率化/共有化する記録アプリ「CONSAIT Basic」、配筋検査専用アプリ「CONSAIT Pro 配筋検査」の3種類。システムやアプリ開発には、パナソニック エレクトリックワークス社に加え、パナソニック コネクトも担当している。

 CONSAIT Eyeは、AIと3眼カメラを搭載したシステム専用のカメラデバイスで、誰の手でも持ちやすく使いやすい操作感を実現。配筋を立体的に検知し、撮影した画像をもとに、鉄筋径、本数、ピッチだけでなく鉄筋配置も計測する。遠隔臨場にも応じ、オフライン環境でも計測できる(データのアップロードやダウンロード時は、Wi-Fi環境が必要)。

 CONSAIT Basicは、日々の建設現場の記録業務(電子小黒板の簡単作成、写真撮影、是正管理、図面管理、報告書作成)を効率化するアプリ。全ての工種に対応し、直感的な操作がウリ。CONSAIT Pro 配筋検査は、事前準備となる検査用データ入力や検査項目の設定、検査後の各帳票作成など、配筋検査の業務全体を効率化する。

「CONSAIT Pro 配筋検査」の概要 「CONSAIT Pro 配筋検査」の概要 出典:大末建設プレスリリース

 配筋検査システム協議会会員のゼネコン21社は、青木あすなろ建設、淺沼組、安藤・間、奥村組、北野建設、熊谷組、五洋建設、佐藤工業、大末建設、高松建設(高ははしごだか)、鉄建建設、東急建設、戸田建設、飛島建設、西松建設、日本国土開発、長谷工コーポレーション、ピーエス三菱、松村組、村本建設、矢作建設工業。

 ゼネコン21社は、これまでに現場検証を重ね、配筋検査の検査品質や業務効率化に対して有効と確認済み。今後も、プライム ライフ テクノロジーズと継続的改善スキームで協業し、建設業界の課題解決と生産性向上を目指して、システム改良や土木工事も含む現場への普及を進めていく。

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