ICT施工、6割が「取り組んでいる」 BIM/CIM活用工事は発注は限定的 全建調査産業動向(2/2 ページ)

» 2025年07月29日 16時00分 公開
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BIM/CIM活用工事の受注実績は14.1%にとどまる

 一方、BIM/CIMについて、「活用工事の受注実績がある」と回答した企業は14.1%にとどまり、ICT施工と比較すると発注が進んでいない結果となった。受注実績のうち、発注者指定型工事が49.5%、受注者希望型工事が69.7%だった。工種は国の発注で「土工」や「構造物工」が、都道府県と市町村では「土工」が多かった。

BIM/CIM実施工種 出典:令和7年度生産性向上の取組に関するアンケート報告書

 CIM(土木分野)は「既に活用実績がある」と回答した企業が14.7%、「今後活用したい(準備を進めている)」が19.8%となった。活用内容については、「発注者や施工関係者間の合意形成」が64.0%、「施工ステップの可視化による合意形成の円滑化」が61.8%、「工事にかかわる管理データの一元管理」が48.4%だった。

 BIM(建築分野)は、「既に活用実績がある」と回答した企業が3.5%、「今後活用したい(準備を進めている)」が11.0%にとどまった。活用内容については、「発注者や施工関係者間の合意形成」が63.5%、「施工計画への活用」が62.1%、「施工図作成」が60.7%だった。

 一方、導入時の課題として、「BIM/CIMに精通した技術者の採用/育成が必要」という人材面の課題が最多で65.9%、次いで「ハードウェア、ソフトウェアが高額」というコスト面の課題が49.8%となった。

BIM/CIM活用の課題や要望 出典:令和7年度生産性向上の取組に関するアンケート報告書

 BIM/CIM活用の効果や期待する点として、「施工ステップの可視化による安全性や作業効率の向上」が53.6%、「設計内容の可視化による理解度アップ、関係者の合意形成」が52.6%と半数を超えている。

現場のデジタル活用は着実に進捗

 また、現場技術者の負担軽減などの現場支援の取り組みとして、「社内書類の削減/簡素化」が46.7%、「受発注者間の情報共有システム(ASP方式)活用による現場情報共有」が45.0%、「遠隔臨場による監督/検査」が29.3%となった。全ての項目で前年度を上回っており、建設現場におけるデジタル活用が着実に広がりつつあることも確認された。

現場支援の取り組み 出典:令和7年度生産性向上の取組に関するアンケート報告書
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