国土交通省の第6回「グリーンインフラ大賞」国土交通大臣賞に、竹中工務店が千葉県印西市で取り組む「調の森SHI-RA-BEにおけるグリーンインフラの長期実証」と、東京建物が東京都千代田区で実施する「大手町タワー(大手町の森)『都市における自然環境の再生』を目指し続けた12年の歩みと今後の展望」の2件が選定された。
国土交通省は2025年12月10日、第6回「グリーンインフラ大賞」の国土交通大臣賞に、竹中工務店の「調の森SHI-RA-BEにおけるグリーンインフラの長期実証」と、東京建物の「大手町タワー(大手町の森)『都市における自然環境の再生』を目指し続けた12年の歩みと今後の展望」を選定したと発表した。
竹中工務店は千葉県印西市「調の森SHI-RA-BE」において、ステークホルダーと連携した緑地活用を推進している。未利用空間を草地景観や水域を備えた多様な生き物の生息空間として整備し、生物多様性とグリーンインフラの研究/実証フィールドとして活用。実装した技術や取り組みについては継続的なモニタリングを通じて、生物多様性やウェルビーイング向上効果を確認している。加えて、従業員や周辺企業、市民への普及啓発活動にも取り組み、地域全体での自然共生実現を目指している。
受賞理由として、研究者や地域のステークホルダーの連携を促進するため、都市農業や養蜂、水生植物の域外保全といった活動を先導的に実施してきた点が挙げられた。また、内水氾濫対策としてのレインスケープなどを導入し、下水道への流入水量を90%以上削減した他、地域生態系に配慮した樹林整備により年間約8.7トンのCO2を固定するなど、定量的な効果を継続的に把握している点も評価された。
東京建物は、東京都千代田区「大手町タワー」の敷地面積の約3分の1に相当する約3600平方メートルの都市緑地を整備。竣工から10年以上が経過した現在では成熟した「都市の森」として、都心で緑に親しむ機会を提供している。森の心地よさを生かしたイベントを毎月開催する他、森に隣接する通路を常時開放し、オフィスワーカーや来訪者が自然に触れられる環境を整えている。
受賞理由として、自然本来の姿を「競争しながら共存」することと位置付け、植物の種数の変遷をモニタリング調査で確認してきた点が挙げられた。疎密の異なる樹木配置や異なる年齢の樹木、常緑樹/落葉樹/地被類を計画的に混在させることで美しい自然景観を形成し、空間を生かしたイベントを多数実施していることも評価された。
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