清水建設と日本道路は、施工検討段階で使用した3Dデータを施工フェーズにそのまま展開する、BIM/CIMを基軸としたシームレスなデータフローを構築した。今回、BIM/CIMにひもづいた施工検討データを舗装切削工事のマシンコントロール施工に活用し、高精度な切削機械の自動運転を実現した。
清水建設と日本道路は2025年4月4日、共同で施工を進めている福岡県福岡市「九大箱崎南地区都市計画道路築造その他工事」で、BIM/CIMにひもづいた施工検討データを舗装切削工事のマシンコントロール施工に活用し、高精度な切削機械の自動運転を実現したと発表した。マシンコントロール施工にかかるコストが約25%削減できたという。
両社は、施工検討段階で使用した3Dデータを施工フェーズにそのまま展開する、BIM/CIMを基軸としたシームレスなデータフローを構築し、道路施工業務の高度化と効率化を図っている。
核となるBIM/CIMモデルは、道路舗装、埋設物、路面標識の3Dデータを同一座標系で統合したもの。最終工程のマシンコントロール施工で必要なデータ形式からバックキャストして仕様を定義し、設計図面から作成した構築物の3Dモデル、探査結果を反映した埋設物モデルなどに、工事エリアで取得した点群データによる位置情報を付与している。
統合モデルに集約した3Dデータはデータ変換を必要とせず、VR/ARを用いた施工検討や施工スケジュールの4Dシミュレーションにも活用できる。今回の舗装切削工事では、施工検討データをマシンコントロールシステムに展開することで、施工指示データの作成などに要する準備工程が大幅に短縮した。
清水建設と日本道路は、今回の取り組みを他現場にも水平展開し、道路工事のDX加速を目指す。清水建設はBIM/CIMを基軸としたデータフロー構築の成果を他の土木工種にも展開する方針だ。
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