国土交通省は、道路構造物の点検に活用できる技術をまとめた「点検支援技術性能カタログ」に、新たに60技術を追加した。橋梁分野ではドローンに搭載した赤外線カメラ画像からうきを検知する非破壊検査技術やGNSS測位技術を用いて遮間の変化を測定する計測モニタリングする技術などが加わった。
国土交通省は2025年4月10日、道路構造物の点検に活用できる技術をまとめた「点検支援技術性能カタログ」に、橋梁(きょうりょう)、トンネル、舗装の点検と、道路巡視を支援する60技術を追加したと発表した。累計掲載数は計375技術となった。
橋梁分野では、斜材ケーブルに装置を設置して移動させながら損傷状況を把握する画像計測技術の他、ドローンに搭載した赤外線カメラ画像を基にうきを検知する非破壊検査技術、GNSS測位技術で遊間の変位を測定する技術など31技術を掲載した。
トンネル分野では、AIと画像処理技術でひび割れ/漏水/遊離石灰の変状を自動検出する画像計測技術、レーダにより背面空洞などを検出する非破壊検査技術、3D点群データ解析により変形を把握する計測/モニタリング技術など6技術を追加した。
舗装分野では、ひび割れ率、わだち掘れ量、IRI(走行時の乗り心地の指標)を判定する技術として、スマートフォン路面モニタリングシステムなど新たに16技術を加えた。
道路巡視の分野では、ドライブレコーダー画像からAIを活用してポットホールの位置を特定できる技術に加え、区画線の摩耗、標識隠れを判定できる7技術を新たに掲載した。
点検支援技術性能カタログは、国が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、国管理施設などで技術を検証した結果をカタログ形式でまとめたもの。2022年度から橋梁とトンネル、2023年度から舗装、2025年度からは道路巡視を含めた直轄国道の点検で、特定の項目について点検支援技術の活用を原則化している。
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