サッカーJ2「いわきFC」の新ホームスタジアム候補地が、福島県いわき市小名浜港の県有地に決定した。構想ではフィールド周囲にビルディング棟を含む3面の観客席を配置し、残る方向は多目的広場とする。2027年6月までに着工、最長2031年までの完成を目指す。
サッカーJ2「いわきFC」を運営するいわきスポーツクラブは、新ホームスタジアム「IWAKI STADIUM LAB(仮称)」の候補地を福島県いわき市小名浜港の県有地に決めた。
現況は780台収容可能な約2.8ヘクタールの屋外駐車場で、水族館「アクアマリンふくしま」の第2号ふ頭と、人工島を結ぶ橋「小名浜マリンブリッジ」の第3号ふ頭との間に位置する。
2012年に創設したいわきFCは福島県社会人リーグ2部から出発し、2023年にJ2に昇格。現在使用している21世紀の森公園内の「ハワイアンズスタジアムいわき」はJ3の施設基準しか満たしていない。そのため、J2で3年目となる2025年6月には、スタジアムの場所や予算、スペックなどの具体的な整備計画をJリーグに提出する必要があるため、今回の候補地発表となった。
候補地選定の際には市内7カ所から、福島県の重要な海の玄関口で観光でも賑わいある小名浜をJリーグの求めるスタジアムと地域との相乗効果が見い出せる土地として選出した。
今後は6月までに県との交渉を終えて建設地を正式決定する。着工は、昇格から5年以内の2027年6月までであれば、最長9年目のシーズンとなる2031年開幕まで完成期限は猶予されるという。
現段階のプランでは、四方をスタンド席が囲む形ではなく、観客席を三方向に集約。収容人数は、J1も見据えつつ常に8割の観客が来場している熱狂空間を創りたいとのコンセプトで、8000〜1万人に抑えた規模を想定している。残り一方向は、海辺の景観を生かして空を開放した多目的広場とし、試合が無料で見れないように対策も講じる。
観客席東西の片側は、上の部分にスポーツ観戦以外でも利用できるビルディング棟を建設する。教育や学びなどのキーワードに基づき、オフィスやカフェ、学校などを誘致する。
今後の基本計画、基本設計、実施設計では、東日本大震災の被災地となった教訓も生かし、高さ10メートルへの津波対策をはじめ、構造設計で基礎や躯体への塩害や試合への風の影響なども考慮するという。
2025年4月3日に開催した新スタジアム整備候補地に関するサポーターカンファレンスで、いわきスポーツクラブ 代表取締役 大倉智氏は「主語はいわきFCでなく地域」と強調。2年間に及ぶ子供のユースプロジェクトを含むワークショップでさまざまな意見を検討し、「試合のある20日以外で、サッカーを観ない人でも“まちの構造が変わる345日の居場所”としたい」と構想を語った。
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