清水建設と東洋アルミニウムは、コンクリート型枠の表面に超撥水性能を付与するアート型枠用「超撥水剤」の外部販売を開始した。超撥水剤を塗布することで表層の気泡痕や肌荒れを抑制し、杉板の木目が鮮明に転写された木目調コンクリートを構築できる。
清水建設と東洋アルミニウムは2025年3月5日、「超撥水剤」の外部販売を開始したと発表した。超撥水剤をコンクリート型枠表面に塗布することで、表層の気泡痕や肌荒れを抑制し、杉板の木目が鮮明に転写された木目調コンクリートを構築できる。離型性が向上することで脱型時の剥落も防止でき、施工性の改善に加え型枠の再利用も可能になる。
両社は打放しコンクリートの品質/美観向上技術として開発された超撥水型枠「アート型枠」の現場適用の拡大を目的に、今回、超撥水剤の外販を開始した。販売はKTSに委託し、年間50件程度の案件適用を目指す。
超撥水剤は、型枠面との密着性を高める下地層用と、超撥水層用の2種類のコート剤から成る。下地層には下地剤と市販の希釈溶剤を同量混合して塗布し、乾燥後に超撥水剤を重ね塗りすることで、型枠面に水を著しくはじく疎水性の微細な凹凸形状を形成する。これにより、コンクリート締固め時に内部から界面へ押し出された気泡の除去効果を発揮し、気泡痕を大幅に抑制する。
外部向けには、下地層のTSコート#27(6.5キロ)、超撥水層のYSコート7%(9キロ)をそれぞれ一斗缶に封入したセット単位で販売し、価格は1セット26万4000円(税別)。1セットで塗工できる型枠の表面積は40〜60平方メートルで、1平方メートルあたりの塗工コストは約5000円。
アート工法はこれまで、40件を超える構造物(施工面積7000平方メートル超)に適用した実績がある。清水建設は自社施工物件への適用を進めると共に、超撥水剤の外部販売を通じて良質の木目調コンクリート構造物の普及に貢献する。
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