3Dプリンティングで積層ブロックを作製、組み合わせて建設部材構築 前田建設工業3Dプリンティング

前田建設工業は、3Dプリンティング技術を活用して現場での運搬や組み立てが容易な積層ブロックを作製し、ブロックの組み合わせにより自由な形状かつ任意のサイズで建設部材を構築する技術「WAV3D」を開発した。

» 2024年10月21日 11時30分 公開
[BUILT]

 前田建設工業は2024年10月16日、3Dプリンティング技術を活用して現場での運搬や組み立てが容易な積層ブロックを作製し、ブロックの組み合わせにより自由な形状かつ任意のサイズで建設部材を構築する技術「WAV3D(ウエーブスリーディー)」を開発したと発表した。

 前田建設工業は新技術を自社研究拠点「ICI総合センター」内の施設に適用。作成した部材は、自社イメージカラーの青と緑のグラデーションを有する色調とした。3Dプリンティングによる建設部材への着色事例は少なく、想定した発色を実現するための色調評価にも取り組む。今後は屋外での供用を通じて、耐久性や色調の変化などの実証データを蓄積し、活用領域の拡大を目指す。

積層ブロック(左)と壁状に組み上げた「WAV3D」(右) 積層ブロック(左)と壁状に組み上げた「WAV3D」(右) 出典:前田建設工業プレスリリース

 WAV3Dは、複雑な自由形状が造形できる3Dプリンティングの特長を生かした積層ブロックを組み合わせて連環部で接続することで、形状やサイズのフレキシブル性や、配置の自由度を高めた。現場に適用しやすい構造とデザイン性の両立、手軽な運搬と組み立てを実現し、さまざまな建設部材を構築できる。

 積層ブロックは波形状とシアキーにより、設置時の安定性と外力に対する抵抗性を高めている。波や地層を模したデザインは自然と調和し、壁として使用した場合は、視線を遮りながら採光や換気も可能。利用シーンに合わせて、照明や植栽の設置もできる。

 さらに、型枠が不要で材料ロスを抑制する他、ブロック形式を採用したことで組みばらしによるリユースも容易だ。

 前田建設工業では、新技術をはじめとする建設分野の3Dプリンティング技術の開発と活用を推進し、建築物や土木構造物などのデザインや構造の自由度を高める。

曲面配置例(左)と積層ブロックからの採光(右) 曲面配置例(左)と積層ブロックからの採光(右) 出典:前田建設工業プレスリリース

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