長谷工版BIMと無人化施工支援システムを活用、根伐工事の作業人員を半減BIM

長谷工コーポレーションは、マンションに特化した独自の3D建物モデル「長谷工版BIM」と、日本コントロールシステムの無人化施工支援センシングシステム「G-Earthwork」を組み合わせ、マンションの根伐工事で測量担当者なしでの施工を実現した。

» 2024年11月25日 11時30分 公開
[BUILT]

 長谷工コーポレーションは2024年11月22日、マンションの基礎を作るために地面を掘る「根伐工事」で測量担当者なしでの施工を可能にし、作業人員を50%削減したと発表した。

 マンションに特化した独自の3D建物モデル「長谷工版BIM」と、日本コントロールシステムの無人化施工支援センシングシステム「G-Earthwork」を組み合わせて実現した。今後は自社施工現場での本格的な運用を目指す。

操縦者から見た作業中のモニター画面(左)、伐根作業の状況と掘削機に取り付けた機材(右) 操縦者から見た作業中のモニター画面(左)、伐根作業の状況と掘削機に取り付けた機材(右) 出典:長谷工コーポレーションプレスリリース

 根伐工事は従来、掘削機の操縦者と測量担当者の2人体制で実施し、掘削作業完了後に施工図と差異が生じた場合は、再度掘削作業を行う必要がある。

 G-Earthworkは、レーザーで観測した3Dデータをもとに自己位置認識とマッピングを行うLiDAR SLAMにより、リアルタイムに掘削機の位置と地形の変化を計測。GPSを使用しないため都市部など衛星の捕捉が不安定な場所でも安定して運用でき、より精度の高い計測が可能だ。

 また、周囲の地形の観測結果をマッピングして、3Dモデルと重ね合わせることができる。今回の取り組みでは、掘削機運転室内のモニターに、3D観測結果と長谷工版BIMの3D建物モデルを重ね合わせた図を、掘残しや掘過ぎが分かるように色分けして表示。これにより測量担当者なしでの施工が可能になり、掘削の手戻りが防止できるため掘削作業時間と使用燃料を30%削減する。

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