国産BIMソフト「GLOOBE」がアップデートし、設計と施工のBIMモデルの連動性を高めるべく、仮設・土工を対象にした施工BIM用の「GLOOBE Construction」のラインアップを新たに追加した。GLOOBE Constructionの土工計画では、BIMとCIMを繋ぎ、点群データの読み込みから、整地・掘削、その先にはICT建機とのデータ連携も実現させている。
福井コンピュータアーキテクトは2020年11月18日、国産BIM建築設計システム「GLOOBE(グローブ)」シリーズの最新版「GLOOBE 2021」をリリースした。発売に合わせ同日には、新商品発表会をオンラインライブ配信で開催した。
最新のGLOOBE 2021では、設計から施工、維持管理までの一連のプロセスをBIMで“繋げる”プラットフォーム構築へを標ぼうし、設計面の機能を強化した「GLOOBE Architect(アーキテクト)」に加えて、仮設・土工といった施工支援プログラム「GLOOBE Construction(コンストラクション)」を新たに開発。さらに企画・設計のプレゼンテーションをバックアップする高品質CGレンダラー「GLOOBE V-style(ヴイ−スタイル)」もArchitectのオプションで用意し、FMプラットフォームとのリンクなども含め、建築・建設の全工程をシームレスにつなげるBIMを具現化させた。
発表会で福井コンピュータアーキテクト 代表取締役 社長 佐藤浩一氏は、「1979年の創業以来、今年で40周年を迎える。今まで、設計図書を中心にCADソフトの開発・販売で成長してきたが、近年は、スクラップ&ビルドから維持管理へ、BIMの著しい発展など、建設業界を取り巻く環境に大きな変化が起きている」と指摘。2020年10月1日に改正建設業法が施行されたことにも触れ、3Kのイメージを払拭する建設業の働き方改革や生産性の向上は急務になっているとした。
そこで福井コンピュータアーキテクトでは、CADベンダーの立場として、「何ができるかの検討を重ね、今回発表するGLOOBE 2021の一つ、GLOOBE Constructionで施工管理アプリケーションを随時アップデートしながら提供することとなった。設計から施工管理へBIMデータをスムーズに渡せるシステムとして、現場の業務効率化など建設産業の課題解決に役立てもらいたい。現在、コロナ禍の中で、日本経済が病に侵されているが、当社がBIMでできる建築・建設業界への働きかけは続けていく」と結んだ。
GLOOBE 2021で「日本の建築は、日本のBIMが繋ぐ。」と掲げた商品コンセプトについては、BIM事業部 部長 石井孝和氏が解説した。
GLOOBE 2021の商品構成は、基本設計から、実施設計、工事監理までをカバーする設計BIM「GLOOBE Architect」とオプションのCGプレゼン用「GLOOBE V-style」は、名称を刷新して機能を拡充。施工BIMを対象にした新ブランド「GLOOBE Construction」では、将来は時間軸やコストシミュレーションといった4D・5Dも見据えながら、先行して“仮設・土工計画”向けに展開する。
2009年のリリース以降、GLOOBの変わらぬ思想「日本の建築設計から確認申請を実現するためには、建築基準法インフォメーションが重要」に基づき、「Made in japanのBIMとして、建築基準法インフォメーションをネイティブで装備する唯一のBIMシステム」を謳っている。その言葉通り、GLOOBE Architectでも、今回の建設業法の法改正に準じて、延焼のおそれのある部分から除く部分(燃焼するおそれのない部分)に応じ、3D上での緩和(除外部分)の確認や建具の防⽕設備性能に関する遮煙・遮熱性能や性能時間の付加など、新しい建築基準法の単体規定・集団規定や法規、確認申請などへ対応している。
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