長谷工コーポレーションは、東京都目黒区で建設を進める木造/RC造のハイブリッド構造を採用した賃貸マンション「(仮称)目黒区中央町一丁目計画」で、木造箇所の施工に着手した。プロジェクトに合わせて長谷工版BIMシステムを拡張して木造にも対応し、基本設計、実施設計で活用している。
長谷工コーポレーションは2024年7月29日、東京都目黒区で建設を進める木造/RC造のハイブリッド構造を採用した賃貸マンション「(仮称)目黒区中央町一丁目計画」で、木造箇所の施工に着手したと発表した。2025年3月の竣工を予定している。
建設中のマンションは地上7階、総戸数101戸で、1階〜3階がRC造、4階〜7階が木造とRC造のハイブリッド構造だ。設計・施工は長谷工コーポレーション、木造箇所の施工は長谷工グループの細田工務店が手掛ける。
住戸のうち3分の1を超える36戸が木造で、木造の壁は全て非耐力壁として間取りの自由度と更新性を確保した。また、RC造と同等の遮音性能を持つ、在来木軸工法による木造高遮音二重床システムを導入している。さらに、耐火木造の壁や床を貫通する特許工法を採用し、従来のメンブレン耐火被覆を不要として施工を省力化した。
長谷工コーポレーションでは、構造物に木を利用することで、約442トンのCO2を貯蔵できると試算している。これに加え、環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」をRC造部分に約4600立方メートル採用し、従来のコンクリートを利用した場合と比較してCO2排出量を約230トン削減できる見込みだ。
今回のプロジェクトに合わせて長谷工版BIMシステムを拡張した。木造に対応し、基本設計、実施設計で活用している。仮設計画や楊重計画、施工工程を検討する段階では、仮設部材を加えた設計〜施工で連携するBIMモデルを作成してシミュレーションを行った。今後は木造部分のBIMモデルを木材プレカット工場に渡すフローを構築し、データ連携による生産性向上を進める。
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